63.08%

中電西名古屋火力発電所の熱効率が63.08%に達しギネス認定されたそうです。
なんでもLNGを燃料とするガスタービン発電だそうです。40年前の蒸気タービン発電と比べ格段に効率が上がっているようです。
前々回の日記で中電渥美火力について少し書きましたが、その頃、新名古屋火力、知多火力、西名古屋火力、武豊火力の4火力、引き続き渥美火力、清水火力(静岡)と設備納入を行いました。いやその前に三重火力、四日市火力を同僚のN君が納めています。
当時夏になると光化学スモッグがよく発生し人体に悪影響を及ぼす事から、中電では光化学スモッグ注意報が発令されないように常に排出ガスを監視しNO(一酸化窒素)が多くなると窒素分の少ない燃料に切り替えるという処理システムを導入しました。


・・・光化学スモッグとは、工場からの排出ガスや車の排気ガス内のNOが紫外線で空気中の酸素と結びつき人体に有害なNOx(過酸化窒素)となり、それが一定量を越え人体に直接的な影響を与えるようになった状態とでも言えばよいでしょうか。四日市市のように公害が顕著な地域は特にその対策が求められていたようです。・・・


設備の名称は環境管理処理装置となっていました。演算処理はミニコンでやるのですがそれに供するセンサーからの電気信号を数値化してミニコンに渡す、あるいはミニコンからの指示で油種切替えやモニター値表示を行う設備を設置しました。
当然当時の西名古屋火力はボイラーでお湯を沸かし蒸気でタービンを回し発電していました。その効率は40%から50%と言うのが一般的でしたから現在の63%という数字は想像すら出来ないものだった筈です。
因みにガソリンエンジンが未だ30%程度、ディーゼルエンジンで35%程度だったと思います。ディーゼル車がガソリン車に比べてエコだと言うのはこの熱効率の差です。「たったの5%程度で大袈裟な。」と思われるかもしれませんが、電気自動車を家庭の電気で充電しても通常の発電では40〜50%、ディーゼルより5%〜15%上回っているだけって事です。ですからこの63%という熱効率はとても大きな値といえます。
たまたま先日通過した渥美火力も今はガスタービンに置き換えられているのかもしれません。他の発電所も同様でしょう。でないと電気自動車の優位性ってさほど大きく無いって事になりかねませんから。
足繁く通った各発電所、あれからもう直ぐ半世紀が経ちます。この業界、どこに何を納めたかなんて言うのはタブーですがこんな大昔の話、今更触れても問題無いでしょう。