あたらしい憲法草案のはなし

手元に標題のような題名の小冊子があります。著者は【自民党憲法改正草案を爆発的にひろめる有志連合】;略して【自爆連】。発行は【太郎次郎社エディタス】。
ページ数も少なく平易な言葉で書かれているので短時間で読み切ってしまえます。
誰が買ったのか解りませんが、たぶんS司ではないかと思います。それがダイニングのテーブルの上に置かれていたので何の気無しに目を通して見ました。
内容は小中学生にも解るように書かれており、本文中にも述べられていましたが、敗戦後の日本国憲法(現行憲法)発布にあたり小中学生向けに配布された【日本国憲法のはなし】に倣って上梓されたもののようです。
しかし内容そのものは我々国民に大きなパラダイムシフトを強いるものであります。今までタダで与えられその上で安穏としていた者を居眠りから叩き起こすものです。本来それがあたりまえの事だという事を寝坊助に思い知らせるものです。
政府におんぶにだっこ、気に入らなければ権利だけを主張して駄々をこねる。今までまかり通っていたわがままも事ここに来てはそれが通らなくなって来ました。
そんなわがままな人達は知らなかったのかもしれませんが、権利と義務は表裏一体のものです。義務も果たさず権利のみ主張ができる訳がありません。例えて言うなら、幼稚園児ならいざ知らず、GNP世界三位に落ちたとは言え高所得を得ている社会人なら社会人らしい義務を果たして当然です。その足かせになっているのが70年も前に造られた憲法なら周りの状況に合わせ手直しして行くのが当然でしょう。
読み進める内に、護憲論者に言葉尻をつかまれそうな少々過激な表現も認められます。いや間違ったことは述べられてはいないのですが、端から反対の人にはなかなか納得を得られないのではないかと。そう思いながら読んでいると、わざとこんな表現をしてこの憲法草案を通させないようにしているのではないか? などと穿った見かたをしたりしてしまいます。著者の【自爆連】なんて半分ふざけた略称もそんな見かたに拍車をかけます。
読後発行所の【太郎次郎社エディタス】をNetで調べてみると、別におかしなところではなさそうです。
この平易な表現、今の日本国民ほとんどすべてが憲法についても民主主義についても無知でおよそ社会人とは認められないほどの幼稚さなので、それに合わせて書かれたもの。と思うのは私の考え過ぎでしょうか?
いずれにせよ、もしこのページを見られた方は一度手に取ってみて頂きたいと思います。お値段も7百いくら、しかしその価値は読んだ人のその後の生き方において計り知れないものである事を保証します。