金木犀の頃

先週土曜日チョボラ出勤時の事です。爽やかな晴天で風も涼しく、こんな日はエアコンより窓を開けて走る方が気持ちが良いです。
住宅街を走っていると甘い香りが漂っています。周りに目を遣ると金木犀の花がびっしりとついています。
「もうこんな季節か。ん?少し早いような…。」
涸沢の紅葉が例年より2週間程早いとか聞いていましたので、金木犀も丁度2週間程早くてもつじつまは合っていますね。
大通りの街路樹の金木犀にもオレンジ色の花がびっしり。近すぎると少々きついほどの匂いですが、ほんのり漂ってくる香りは風情があって良いものです。
例年はやはり10月10日近辺がこの花の時期でしょうか。特に印象に残っているのは昔御嶽から下山した時の事。あの時は中央線木曽福島からバスで田の原へ、五の池小屋で一泊し濁河へ降りました。山頂では冠雪で真っ白の世界を味わい、中腹ではナナカマドの赤、岳樺の黄、這松の深緑を堪能させてもらいました。紅葉真っ盛りの樹林帯の中をバスで飛騨小坂まで降り、高山線の時間待ちで小坂の街中を散策していた時、各民家の庭木の金木犀が狂ったように咲いていました。その強烈な匂いたるや凄まじいものでした。甘い良い香りなのですが、過ぎたるは及ばざるが如し、鼻がもげるほどの強烈な匂いに閉口してしまいました。この事の所為で金木犀の匂いに抵抗を感じるようになったような気がします。
そして暗くなった頃、岐阜長森駅を素通りし名古屋に帰りました。翌日姉から祖母が亡くなった知らせを受けたのですが、それが丁度祖母の家を素通りした時刻。「あの時寄っていれば…。」と幾度と無く悔やむ事になりました。その事が尚一層金木犀のイメージを悪くさせているような気がします。
そして今年も金木犀の匂いが御嶽山の噴火と大勢の犠牲者を招いたような気がしています。
どうもこの香り、不吉な事の前兆を予感させます。御嶽山金木犀の取り合わせは死臭が漂っているような…。
チョボラを終え帰宅すると我家にも金木犀の香りが漂っていました。強烈な匂いを嫌って裏の方に植えてあるのでほんのり漂ってくる程度です。それでもなんとなく縁起悪さを感じてします。考え過ぎだとは思いますが…。