パルピテーション

花子とアンによく出てくる動悸がドキドキではありませんが、最近毎日心がときめいています。まるで30数年前に戻ったかのようです。
就業後を待ち構えていたかのように退社、急いで地下鉄に飛び乗ります。そして途中下車して病院へ。かみさんと病室でデートです。
長居は出来ないのですが、その短い時間がかけがいのない幸せな瞬間です。
限られた時間でしかありませんがその間の身の周りの世話がこんなにハッピーなものとは思いもよりませんでした。


顔を合わせる度にかみさんは看護師さんの愚痴を言います。やれ、やる事がぞんざいだ、片付けてあるものをすぐクチャクチャにする。とか。
本人も看護師さん達の献身的な働きは解っているのですが、いかんせん身体が思うようにならず自分の動線に従って最も楽な動きで済むようにものを置いている訳でそれを動かされる事が耐えられないようです。都度頼めば良いのでしょうが、できるだけ人に頼らずにいたい性分なものですからその配置を変えられるのが嫌なようです。
普通の人が聞いたら「なんとまあ細かい事を言う人なんでしょ。」と思うに違いありませんが、それはその人が健常者だから。身体が動かせない人の気持ちになればかみさんの言う事も尤もな話です。
トイレもできる事なら他人に介助して貰いたくないようで、私なら安心して手伝ってもらえるようです。そして私にならなんでも言いたい事が言えます。とても看護師さんに言えないような事でも。
そこまで頼られるとこちらとしても、とても嬉しいものです。
あっ、もう出かけなくっちゃ。今日はかみさんをお風呂に入れる日です。