差し歯

今日やっと差し歯が着きました。
年とともにいろんな体験ができて興味が尽きません。
鏡で見ても右側の自前の歯と見分けがつかないくらいよく出来てます。
そこそこの力で噛む事も出来ますし有難いことです。といいながらもリンゴまる齧りは少々気が引けます。
徐々に慣らしてゆく事とします。
もうすぐ今までかかっていた歯医者からはがきで定期検診の案内が来る頃です。
う〜ん、どうしようかな?
今までのところは行く度に医者がころころ替わり、それもサラリーマンまるだしのような雰囲気でした。
今かかっているところは最寄の駅のすぐ傍で仕事帰りに寄ることができます。おまけに土日も夜まで診療しています。医者も同じ人がずっと担当してくれます。治療中もバカ丁寧なくらい状況説明してくれます。所謂インフォームド・コンセントっちゅうやつですな。
宣伝文句かもしれませんがホームページに掲載されていた事が凄く印象に残っています。
この医院は兄弟二人でやっているそうです。お父さんが歯医者さんで自宅と医院が一緒の昔ながらの町の歯医者さんだったそうです。当然の事ながら急患で真夜中に起こされたり、日曜でも患者さんが訪ねてくれば断りもせず診療、時には往診に出かける事もあったそうです。子供達から見ると家庭を省みない、お父さんとしては落第と思った事もあったそうですが、いつしか患者さんの為に懸命に働き続ける父親の姿をごく当然の事と受止められるようになり、兄弟ともにお父さんと同じ道を歩んでいたそうです。
さすがに今の医院は自宅とは別れていますが、それでも土日も休まず日によっては夜間も受け付けるようにしているそうです。兄弟で交代しながらだからやれるそうです。
父親の後姿を見ながら育ち、いつしか父親の哲学に共感し自分たち兄弟もその哲学を共有するようになった。


今の世の中、自身の哲学を持った人なんて殆どいません。以前にも述べた事がありますが、哲学を持たない人の物事の判断基準は自分にとって損か得かだけになってしまいます。自分にとって得にならない事は一切やらない、そんな人ばかりです。そんなすれっからし人生を歩んで何が愉しいのでしょう。挙句家族も同じ道を歩み子供達から疎まれながら生きるしかなくなってしまいます。そんな人達のなんと多いことか。
そんな世の中にあってこの歯医者さんのように【医は仁術】を実践している人達を見るとこの人達との接点を少しでも多く持ちたいと思うようになります。
と言う訳で今後はこの歯医者さんを主治医とします。サラリーマン歯医者さん達、Bye Bye.