舶来風邪

帰宅すると2階のS司の部屋に明かりが点いています。
どうやら無事帰ってきたようです。中国のような野蛮な国と違い民主的な文明国家は安心です。少しくらい遅れてもヤキモキすることなぞ有りません。
S司の部屋に入るとベッドで寝ています。ホテルのベッドに毛布一枚しかなく最後の日に風邪を引いてしまったとか。
「お前なあ、ブランケット プリーズ くらい言えんのか。」
冬も暖かいSFらしいです。
「医者、連れてったろか?」
「行かん。」
「薬飲むか?」
「飲まん。」
「風呂入るか?」
「後でいい。」
滅多に風邪を引いた事がない(バカは風邪引かん)ので薬も飲みません。その子が風邪を引くとは。少しはお悧巧になったのでしょうか。
暫くして生姜湯を作って持って行きましたが、それも飲まず眉間に皺を寄せて眠っています。見るからに苦しそうです。
後で飲むように言い残し部屋を出ます。
まあ風邪引きが最終日で良かったじゃないか。
帰りの飛行機の中もずっと寝ていたそうです。重い荷物も学校に置きっ放しにして単身で家まで帰ってきたそうです。荷物は落ち着いてから取りに行ってやるか。
しかしなあ、これって舶来の風邪? 原産地証明付きのバリバリのMade in USA
うつされると私もUSA風邪? 向こうのウイルスって日本の薬でも効くのかな? ちょっと舶来品の風邪でも引いてみたい気分。向学の為に。