品位の劣化

今朝、朝刊に目を通していて李登輝台湾総統の談話を目にしました。
曰く「尖閣は元々日本領。」と同時に現日本政府に対し「曖昧な態度が問題を大きくしている。」とも。
小泉政権時の対応をそのまま猿真似をしている能の無さを指摘したものでしょう。あの当時としては周りの状況を鑑み最も適正な方法だったと思いますが、今回は2回目。それも昨年の中国漁船の暴挙に対し日本という国家の姿勢を表明することすら出来ず世界中の物笑いの種を提供しただけになってしまったその後の事件です。
こんな事をしていたらバカが何度でも同じ事を繰返します。弱腰なのは日本自身が本気で尖閣諸島を日本領と考えてないからではないか?と世界中が思う事になります。そうやって領有権を曖昧にさせゆくゆくは乗っ取られてしまう事になるかもしれません。
中国は国家も国民も成熟した思想を持ちえない国です。近年急に経済が台頭してきましたがまだまだ礼節を知るには程遠い事でしょう。そんな国民と国家ですので厄介者ではありますが「その程度の国だ。」と割り切れる事が出来ます。とは言っても手をこまねいて言うがままになっている事はありませんが。
それとは対照的に、近年民主的な経済国家として台頭してきた韓国、この国の今までの指導者達には確かな信念と品位が備わっていました。国家を分断され経済的にも困窮し綱渡りのような国家運営を余儀なくされていたからこそそれに相応しい品位が備わっていたのでしょう。
国が豊かになると政府の質というものは劣化するようです。これは我が日本だけの事かと思っていたのですが、お隣韓国も例外ではありませんでした。支持率低下からポピュリズムに走っているのが丸見えです。そして傍若無人な言動。およそ一国の指導者とは思えない品位の低さです。今経済的にも活況だからとまるで恐い物無しのような態度。戦時中の被害者側だから加害者側にどんな理不尽な事をしても構わないとでも思っているのでしょうか。こんな事を口にするのは憚られますが、今の韓国の繁栄に繋がるようにひたすら支援し続けたのはどこの国だと思っているのでしょうね。そんな事も知らない愚か者なのかもしれません。
冒頭に触れた李登輝さんとは全く比較にならない愚かさです。韓国と台湾、どんなところでもライバル意識丸出しの両国ですが、事政治家の品位と言う点においては韓国は台湾より先に劣化が進んでしまったって事でしょうか。
韓国の指導者もついこの前までは立派な人ばかりでしたのに。完全に品位の劣化が見て取れます。
ただひとつ救いなのは韓国国民が割りと冷静でいる点です。一部では竹島訪問に賛同する人々もいますが国を挙げて熱狂する事はないようです。一般国民は社会人として成熟しており人の意見に耳を傾ける余裕を持っています。斯く斯く然々と客観的証拠を持って説明すれば公正に判断できる冷静さを備えています。
今回の件は愚かな李明博がこれまた愚かなナショナリスト達の人気取りをしただけと見えます。愚かな行為には厳格なお仕置きが必要です。国際社会に向かって声を大にして正当性を訴えて行くべきです。