お駄賃

あれこれやっているともうすぐ5時。しまった、かみさんから夕飯の支度を託っていたのでした。
と言っても、ツマの野菜を刻み鰹のタタキを切って盛り付けるのと、夕べの焼肉で残った野菜を使って野菜炒めを作るだけ。
作り終え「さてシャワーでも。」と思っているところに、駐車場でバイクの手入れをしていたT哉が
「お父、クリーニング屋でスーツのズボン、貰って来てくれん?」
「自分で行けよ。」
「時間が無くなっちゃった。これ片付けてたら閉まっちゃう。」
「しょうがねえなあ。」
tanuoさん、子供にまでアゴデ使われています。道路に置きっぱなしのT哉のエイトで出かけます。
エイトに乗ったのは良いのですがドライビングポジションが合いません。シートを前にだし背もたれを起こさないとクラッチが踏み切れません。このクラッチ、重いわ踏みしろは深いわで大変です。おまけに身体を捩って後ろを見ながらバックなんて無茶苦茶不自由です。向きを替えクリーニング屋さんへでっぱつ。
久しぶりのマニュアル、ストロークが短くコキコキとスムーズに動くシフトレバー、減速と同時にダブルクラッチでシフトダウン、エンジンブレーキから今度は加速、ん?やはりマニュアルは楽しいなあ。ロータリー独特のヒューンという音と共に滑らかな加速、無茶苦茶軽快です。
おっとっと〜、あまり調子に乗らないように。ここは住宅街、いつお子ちゃまが飛び出してきてもすぐ止まれるように安全運転で。
クリーニング屋さんでズボンを受け取り引き揚げます。
帰宅後一杯やっているとバイクの手入れを終えたT哉が、
「いくらだった?」
「450円。」
「じゃあこれ。」と500円玉を差し出します。「お釣は良いわ。」
子供からお使いのお駄賃50円を頂いちゃいました。しょうもない事が嬉しいtanuoさんです。