茹で蛙

危機管理上の比喩としてよく使われる言葉です。
実際に実験してみると茹で蛙とはならず、温度上昇を感知するとすぐ逃げ出してしまうそうです。という事は【茹で蛙】でなく【茹で人間】とでも言わないと蛙さんに失礼ですね。
現在の世の中の状況、まさに【茹で人間】いや【茹で日本人】を地で行っています。
どうすべきか答が解っていながらその対応が出来ず、ズルズルと破滅への道を辿っています。こうなると落ちる所まで落ちないと新たな出発は出来ないようです。そう、国家が破綻してだれもかれもが無一文にならないと。すこしでも余計な物が残っていると新たな物は建てられないのですね。もう一度戦後を経験しないと、ぬるま湯にどっぷり浸かりきった我々日本人はそこから抜け出せないようです。刻一刻と水温が上がり茹で上がってしまう事が解っているにも拘わらず。


今日目にしたNetの記事でこのような半ば諦めの念に捕らわれてしまったのです。その記事というのはお隣韓国の行政サービスについてのものです。「ここまで差が付いてしまっていてはもう永遠に追いつけないな。破綻でもしない限り。」と思い知らされてしまったのです。
きっかけは1990年代終盤のアジア通貨危機。この時韓国も国家破綻寸前まで追い詰められていたのです。(同じような事を以前の日記でも書いたような…)
IMFからの融資を受けるにあたり過酷な構造改革を強いられそれと共に行った【ICT立国化】が功を奏し現在の繁栄に繋がっています。そこで行われた徹底的な行政の無駄の排除が効率的に機能し発展の下支えになっているのも疑いようの無い事です。
そのIT化をより一層機能させているのはその為の法整備でしょう。その一例が以下のものです。


「特別な理由がある場合を除き行政機関は、行政機関の間で電子的に確認できる事項については、国民に証明書などを提出させてはならない」
(法律10580号4章36条「行政情報の効率的管理及び利用」)


日本のお役所で必ず必要とされる代表例に住民票があります。自分が確認するものを自分が発行、その手間を顧客である国民に強いる。考えてみればこんなバカな事はありません。「いつでもどこでも自由に発行。」といういかにも便利そうな宣伝文句もありますがそれより「不要な手間は一切おかけしません。」の方がよほど地域住民の利便性に適っています。
詳細は下記URLで。


http://diamond.jp/articles/-/21481


韓国の再生も通貨危機による国家破綻に直面した事がきっかけでした。遅れ馳せながら日本も一度破綻に直面しなければ立ち直る事は出来ないでしょう。早ければ早い方が良いのです。早く破綻しちゃいましょう。
学校でのイジメ? 就職難、非正規雇用Neet? 製造業の業績悪化や身売り? 政局しか頭に無い愚かな政治家? 全ての原因は怠慢行政も含めて我々国民の【茹で蛙】状態にあります。
今の日本の処方箋、それは先ず破綻してみる事です。
そうすれば戦後の焼け野原から這い上がってきたように、第二の宗一郎さん、井深さんや盛田さん、幸之助さん(この人はもっと古いですね。)達が現れる事でしょう。