ルマン

大勢は決したようです。
T車も頑張りました。ハイブリッドの草分けとしての意地も見せられたことでしょう。
ほんとレースは水もの。ほんの些細なことでどう転がるかわかりません。そんな状況ですが最後の決め手はやはり経験なのでしょうか。
日本メーカーとして唯一ルマン総合Vを手にした事があるマツダさんが、来シーズンから参戦するそうです。と言ってもエンジン供給だけだそうです。それもメインクラスでなくLMP2。そして優勝当時のREエンジンではなくSKYACTIV-D。いまやルマンもディーゼルが主流になりつつあります。熱効率の優位性からトルク大→低回転での走行→燃料消費少→CO2排出少→環境負荷少、おまけに植物由来の燃料が使える事からカーボンニュートラルとする事も可能です。実際Audiディーゼルエンジンをルマンに投入した当初から植物由来の燃料を使用していました。レースを市販車の為の実験場と捕らえているメーカーらしいです。タイムだけでなく環境負荷の少なさもその車のステータスであるわけです。
マツダさんの優勝からもう20年が過ぎてしまったのですねえ。tanuoさんも年食う筈ですわ。
「万年赤字のマツダさん、よくそんな余裕がありますね。」との業界の冷ややかな意見も聞かれますが、ルマンを梃子に社運をかけて開発したSKYACTIVを全世界に宣伝する事が目的のようです。
技術レベルが高く、市販車一台一台の完成度が高く、乗り手を充分楽しませてくれる車を作っていながら、なかなか商売に繋がらない。
車に対する評価基準が日本と異なるヨーロッパでは昔から他の日本車よりずっと人気が高く、それが海外販売比率の高さに繋がり今の超円高のあおりを食らい収益低下に繋がっている訳です。かといって海外生産に切り替える資金を捻出するあてもなし。バブルの後遺症で倒れ掛かったところをフォードの資本注入でなんとか息を付き、それも束の間本家フォードの建て直しの為にまた資本を引き揚げられ、つい最近やっとフィアット資本提携。技術はあってもなかなか上手く行かないものです。
マツダのREエンジン、元々は今のAudiと統合される前のNSUが開発したもの。そのライセンス供与を受けマツダさんが実用化したものです。そして今、レースの世界にディーゼルエンジン投入の先鞭を着けたAudiの後を追うように他社も続々投入しています。マツダさんもそのひとつです。なんだか因縁のようなものを感じてしまいますね。
AudiはEVにe-tronという呼称を使っています。その航続距離を延ばす為、発電用に小型エンジンを検討しています。その為のエンジンをREとし、マツダから調達するような話を暫く前に耳にした事があります。実現するかどうか解りませんが、これも因縁深い話ですね。