庭の楠

5/14(土)は倉庫移動の立会い。ストーブ、冬タイヤ、草刈機、芝刈機、その他遊び道具がわんさか入っています。おまけに収穫したての玉葱が吊るして干してあり、一坪ほどのスペースがほぼいっぱいです。
移動の為には中の荷物を空にしなければならず、さすがにすべて業者さんにお任せって訳には行きません。遊び道具の主たる持ち主である子供達は全くの他人事であるかのように全てお父に任せっきり、そしてかみさんもお仕事。暇な私だけが割りを食っています。
裏の杉も切り倒され、南西の楠も切り倒されていました。20数年前、転居時に植えた1mほどの苗木がよくもまあこんな大木に育ったものです。丈は2階の屋根を越え、根元の直径は50cmを越えています。
新たな土地に根付き大きくなりかけた頃、途中で二又に別れそのまま育って行きます。普通ならどちらか太い方を残し幹を真っ直ぐにするのですが、家の子供達に倣い二又のままにしておきました。そのままそれぞれが大きな幹に育ち「沙羅双樹みたいだな。」なんて思ったりしていました。本当によくぞここまでと思うくらい大きく育ったものです。にも拘わらずちょっと邪魔になるからと処分してしまう私って冷血鬼? 切り倒す前にお神酒を供えて木の霊を慰めて、しっかり詫びておきました。





切って間もない生木は辺りに樟脳の強烈な匂いをまき散らしています。これなら暫くは害虫も寄り付かないかもしれません。
たった数日の間に大きく様変わりした跡を見ていると感慨深いものがあります。言いだしっぺのかみさんも「なんだか悲しくなってきた。」と言ってました。
楠を使ってベンチなど作りたいなどと言っていましたが、本気とも冗談とも判然としない内に切株のみを残し幹から上は既に処分されていました。まあこんな状態ではとても無理な事でした。


工事中の職人さん達に挨拶してから畑の跡にシートを敷き、倉庫内の荷物を出します。移動は重機で吊って運ぶそうですが午後からになるとの事。荷物出しは職人さんに手伝ってもらい割りと早く片付きました。冬タイヤ2台分、スキー板6本にブーツ4足、ストック一束。(これでも半分は先日捨てたのです。)お兄のボード、テルッツォのキャリア、パドル等カヌーの道具一式、キャンプ用品、山の冬道具二人分…。
その職人さん、実家は信州だそうでお子さんもスキーで国体に出場されたとか。スキー話で盛り上がっちゃいました。


午後再び現場に出向くと既に倉庫は移動してありました。今度はひとりで荷物を中にしまいます。午前中は6人いた職人さんも午後は半数に。皆自分の仕事をしているので手伝ってくれとは言い出せません。しかし時間に追われる事もないのでマイペースで片付けます。そうそうかみさんに物干し竿とCRCを取って来てと言われていたのでした。忘れないようにしましょ。
片付けていると重機で楠木の根っこを掘り起こしています。凄い根の張りようでかなり苦戦しています。太い根をチェーンソーで切断したり斧で叩き切ったり。20数年、幹や枝葉だけでなく根にもその歴史はあったのです。辺りは午前より尚一層強烈な樟脳の匂いが漂っています。この匂いが私に一層の感慨を呼び起こさせます。