よしなしごと その3

今日は定期検診の日。検診までの期間が長い所為か、毎度来院する度にシステムが変わっています。
今回は電子カルテ化に伴い、端末による受付の後、受付窓口で基本スケジュール表を受取り、その内容に従い処置を受けるようになっていました。スケジュール表にはチェック欄も印刷されており処置が済むとレ点を記入するようになっており、これが最終的には会計での金額計算に使われるようです。フールプルーフ(バカよけ:ミスの防止)にもなっており、「効率化と医療過誤防止に向けて常に改善を重ねているんだなあ。」と思った次第です。
診察待ちも以前より格段に改善されたように思います。だって待合の椅子も半分くらい空いてましたもん。
相変わらず冗談を交えての診察、また次は来年の6月21日。
最後に今回のシステムについてのアンケートを依頼されましたが、ベタ褒めしておきました。
だってK先生、命の恩人ですもん。おかげで子供達二人もなんとか育て上げる事ができました。感謝感謝です。
午後の眼科検診まで時間があります。一旦かみさんとランチタイムデートに出かけます。
その為に帰宅するとまだS司が家にいました。全くこの子にはタイムスケジュールなんて概念は無いのかなあ。上海から帰ってきた日も入浴と夕飯を済ませ午後9時半頃にまた学校へ。そしてそのまま泊り込み。半分遊びみたいなもんですな。
そうそう、帰ってきた日に聞いたのですが、ちょっとヤバイ事があったようです。でも同じグループ内に中国からの留学生が居て、その人の説明で危うく難を逃れたそうです。同じグループ内にベトナムからの留学生も居り、S司曰く「僕なんかよりずっと優秀だよ。」
皆さん母国の看板を背負って留学しているのです。何事にも貪欲になって当然です。その姿が脳天気な日本の学生さん達に刺激を与えてくれるのです。その協業がイノベーションに繋がるのです。【多様性こそがイノベーションの父】と言われる所以です。


今日のランチは中華。店員さんのぎこちない言葉に海外の人である事が解かります。顔立ちからすると中国からのようです。最近特に中国の方を多く見るようになった気がします。
この時間帯に働いているって事は留学生ではないですね。研修名目か完全な不法就労か。
確か一日当たり何時間だったか、それ以内ならアルバイトとして許されていたように思いますが、実際には皆さんそれを越えて働いています。皆さん不法就労で逮捕、強制送還、というリスクを負いながらも懸命に働いておられます。
そんな立場の弱い人達に対し、尖閣に端を発した関係悪化に伴い心無い一部の日本人から嫌がらせを受けるのではないか? と心配です。
大使館にただならない物を郵送したり、中華学校に嫌がらせをしたりする愚か者が既に現れています。「良識のある民主国家日本の国民」という看板を穢さないで貰いたいです。こんな連中に日本国民の資格はありません。こんな自称ナショナリスト愛国心を履き違えている事に気付いていないのでしょう。憐れな事です。
中国の革命の父と呼ばれている孫文を筆頭に、過去の中国の偉人達は多くが日本に留学していました。そして彼らを支援し続けた立派な日本人も数多くおられました。留学先の敵国の中にも大勢の支援者が居たという事です。周恩来さんもそうですが、嘗ての中共の首相という立場にありながら常に親日家で有り続け、主席の毛沢東との橋渡しを続けていた、と言うのも留学時代の日本の支援者達との間で培われた相互理解のおかげでしょう。
たとえ不法就労という形でも日本に来ているという事は、日本が好き、親しみがある、嫌いでは無い、という事です。こんな時だからこそこの人達を大切にしなければなりません。でないとこの人達までをも嫌日家にしてしまいます。今誠意を持って接していれば未来の周恩来さんになる可能性もあるのです。武力を持たない日本に必要なのは、ハードパワーでなく当にこういったソフトパワーである筈です。


毎朝の通勤時、同じ電車に乗り合わせる人の中に数人のビジネスマングループがいます。一緒にいながらも何かを話す事はありません。その彼らの話声を偶然聞いた事があります。周りに人がいなかったのでつい話してしまったのでしょう。明らかに中国語でした。
日本で働いている中国の人達はトラブルを避ける為にこうやって周りに気を配りながら生活しているのです。
せめて安心して自由に母国語で話せる環境を提供してあげたいものです。