よしなしごと

11/7付けの日記にコメントを頂きました。
常識の通じない国とは言え、たかだか一週間の子供のお出かけに不安を募らせていたところ、なんとこの方のご子息は中央アジアやアフリカへひとり旅をされていたとか。
当に冒険の領域です。行かれたご子息の行動力も半端ではありませんが、それを許す親御さんも大したものです。うちのかみさんなど絶対に許さないでしょう。いや私も…。
海外でいろんな人達の文化や考え方に触れると、狭い島国の中で些細な事で人々がいがみ合っているのを見るとバカバカしくなってしまいます。ほんの少し相手の言い分を認めるだけでお互いが理解しあえるのに。
生物多様性の締約国会議(COP10 UNEP/CBD)がつい先日開催されていましたが、人類文化の多様性についても会議が必要なのでは?
冗談はさておき、やはり凄い行動力です。
うちの上の子など、学生時代にイリノイ大へ行ける機会があったにも拘らず全くその気無し。
「一年くらい遊ぶつもりで行ってきたら?」と言っても向うでの研究テーマがあまり魅力的でなかったようで端から行く気無し。
全くあの子といったら、「石橋を叩いて渡るほど慎重。」と言うより「石橋を叩き壊して渡れなくしてしまう。」という表現の方が合っているような。
イリノイ大学というと米国でもかなり著名な大学です。怪物のような賢い人達がわんさかと居ます。そんな人達と触れ合うだけでも人生の大きな糧になります。Ah never the less!
そう言えばスタンレー・キューブリック監督の【2001年宇宙の旅】に出てくるコンピュータ【HAL】ってイリノイ大学で作られた設定じゃなかったっけ。実際にスパコンも何台も持っていた筈です。
このHALってシーザー暗号なんですね。アルファベットを何文字か順にずらすだけで意味不明になります。何文字ずらすかを最初に決めておけば簡単に解読できる原始的な暗号です。
因みにHALは当時のコンピュータ業界の雄、IBMを1文字づつ前へずらしたもの。
ローマ帝国のシーザー(ユリウス・ユピテルカエサル)が本当に使っていたのかどうかは知りませんが。
あまりに有名になりすぎて今ではコンピュータの専門学校の名前にまでなっていますが、そこの学生さん達、この名前の由来をご存知なのでしょうか。
暗号というと大戦中使われていたドイツのエニグマ暗号機も当時は解読不能と言われながらも今では遥か昔の遺物にしかすぎません。
情報秘匿の為、暗号化技術はどんどん進化しています。同時にその解読技術もどんどん進化し続けています。まるでイタチゴッコ。
しかしどんなに複雑な暗号もいずれは破られてしまいます。情報そのものに鍵をかけるのは不可能なのかもしれません。
「昔に比べ情報コストが劇的に低下した。」とドラッカーが言ってましたが、コストが下がっただけでなく、情報隔離の為の障壁もより小さくなり、またその伝播速度も極端に速くなっています。100年前は地球の裏側まで伝播するのに半年かかっていたものが、今では瞬時に、当にリアルタイムで伝播して行きます。
政治にしても私生活にしても情報を秘匿する事でなんらかの事を行うより情報秘匿は不可能である事を前提に物事を行う時代が来ているのかも知れません。尖閣のビデオしかり、劉暁波さんのノーベル平和賞受賞しかり。
いわばこれは凄くインパクトのあるパラダイムシフトです。世の中が変わっているのに人の頭の中は相変わらず一世紀前のまま。少しでも早く頭を切替える事が将来の国益、いや世界共通の利益に繋がるのではないでしょうか。


海外さすらいの旅から話がどんどん飛んでしまいました。当によしなしごと。