光って興味深いものですね。
人間の知覚のひとつ視力は光を媒介として周りの様子を認知するものです。一部の動物などでは音を媒介として周りの様子を認知するものもいます。私達人間にはそれがどのようなものなのか想像すら出来ませんが、私達が目でものを見るように立体的に周りの様子を認知しているようです。
しかしその像が光を媒介として見るよりもかなり粗い大雑把なものであろう事は想像できます。
光に比べ音波ではそれほどの分解能が得られるとは思えません。それに進行速度も遅いですから動いているものを認知する場合、そのものを捉えた時には既にそのものはそこには居ない可能性もあります。丁度亜光速で移動している時に周りを見ているのと同じような歪みが見られる(感じられる)のでしょう。
とは言え、それを脳が常に補正していると考えられます。我々人間も両目でみた生情報を無意識の内に脳が処理を行っています。早い話、立体的に見えたり遠近感を感じたりするのは二つの目から得られた情報の違い(視差)からその位置関係を読み取っているのです。また暗い所でも明るい所でも赤い光の中でも青い光の中でもこれが何色かを識別できるのも人の脳が自動的に補正をかけているおかげです。時としてそれが錯覚を起こす事もありますが。
しかしこの究極とも言える画像処理方法がそれを模造したカメラの理想像でもあります。
専用眼鏡なしでも立体視できるというTVが発表されました。映っている物自体が指向性を持った光を発する事でそれを実現しているそうです。具体的にはどうやっているのでしょう。非常に興味深いです。
こういった最新技術を開発してもその優位性を維持できる期間は短いものです。初期は上位顧客層をターゲットとするのでしょうが、それをいかに早く全世界の一般ユーザーに広げるか? この辺りの手法が日本企業の苦手とするところです。
今家電品では韓国に大きく水をあけられてしまいました。かつてはウォークマンなどの遊び心を刺激する製品で世界中を席巻したS社も今ではそのお株を米国のアップルに奪われています。iPodにしてもiPadにしても最新技術が使われている訳ではありません。ちょっとしたアイデアで使い勝手の良い面白いものができるのです。
コモディティ商品も駄目、遊び心のある商品も駄目、膨大な開発費をかけた最新のハードウェアしか特異分野が無いって寂しいです。これではちっとも儲かりません。
ただあまり目立たないのですが素材技術とそのマーケットシェアはまだまだ健在です。これがせめてもの救いかもしれません。しかしそれがいつまでも続くかどうか。うかうかしているとその素材分野も韓国勢に侵食されかねません。
暫く前の新聞にも載っていましたが、対韓国では貿易黒字が伸びています。韓国製品が世界中で売れれば売れるほどその材料を日本から買ってくれているのです。ずっと以前にSAMSUNのCEOの談話がNet記事で紹介されていました。世界でのシェアを伸ばしていながらも「誰の為にこんなに一所懸命に働いているのか解からない。」との発言。素材の殆どを日本から輸入しており、結局知らないうちに日本を儲けさせてやっているだけじゃないか。と言いたかったようです。
それを問題視し始めたと言う事は、今後は韓国も素材などの裾野産業にも力を入れ始めると思われます。
世界中でずば抜けて高い法人税、三流の政府、こんな状況ではこの日本、今後ますます先細りのような気がします。
ずっと昔に言われていた「経済は一流、政治は三流」という言葉が懐かしいです。いくら民間企業が頑張っても政治が三流ではいずれこうなってしまうのでしょう。(経済も政治も三流)
それと気になる事がもうひとつ。
韓国のビジネスマンの間で言われている事ですが、日本語が話せない者はその時点でビジネスマン失格なのだそうです。英語、日本語は必須との事。
比べて日本は、母国語ですらまともに話せない人が大勢います。そして海外に打って出ようという気概なぞ誰も持っていません。中国、韓国、台湾、いやアジアの国々の若者は海外に打って出るのが当たり前と考えています。日本の経済が芳しくない根本的な問題はこんなところにあるような気がします。
1億2千万の人口、働いてこそヒューマン・リソースたりえるのです。景気の悪い国内から出ようともせず、NEETにあまんじていながら人の所為にばかりしていたんじゃ先が見えていますね。