菜芹屋

最近、サイゼリヤを賛辞する記事をよく目にする。
低迷している外食産業の中で唯一一人勝ちしている為か、そのビジネスモデルに対してべた褒めである。
何年か前に一度行った事があるが特に印象に残るものは無かった。いや、廉さだけは記憶に残っていたか。
周りがあまりにも騒ぎ立てるものだから一週間ほど前にかみさんと行ってみた。「味は一流、値段は超低価格。」という触れ込みだが味も特に良いとは思えなかった。まあ特に不味くも無いのでごく普通といったところか。
ところが今日もまたネット配信の記事にサイゼリヤが取上げられていた。
極端に効率化を図り人件費が他の外食産業より驚嘆に低い。加工等は工場にて殆ど済ませ、店舗内の厨房では包丁すら置いていないとか。或いは、余らせたり不足したりしないように丁度食べごろのものを供給できるように、トマトそのものの品種改良まで行ったとか。農場もザイゼリヤ専属のものを持ち、サラダ用の野菜は全てそこから供給しているそうだ。
それでは是非そのサイゼリヤオリジナルのトマトを食べてみたい、トマトソースのスパゲッティを食べてみたい、という事で今日の帰りはかみさんとサイゼリヤでディナータイムデート。
小エビのサラダ、○○のミネストローネ、あさりのトマトソーススパ、○○のチャウダー、○○グラタンを二人で頂く。
小エビのサラダは小エビがたっぷり添えられていて臭みもなく旨い。そしてご自慢のトマトも丁度食べごろで旨い。ただレタスが…。干からびてはいないが表面が乾燥しており瑞々しさは全く感じられない。量的にはレタスが最も多いのでエビとトマトの加点分を相殺してもマイナスに振れてしまう。値段が249円とお安いが、500円出してでも瑞々しいレタスが頂きたいと思う。
トマトソーススパはまあ普通のお味で旨いには旨いが特別旨いと言うほどではない。他の物も値段相応の味。
どこが「味は一流」やねん。
我々夫婦の味覚センスが狂っているのかもしれないが、どう見ても値段相応の味としか思えない。そしてかみさんの顔には明かに不服の表情が現れていた。
決して不味いとは言わないが、経済誌などで言われているほどの味ではない。単に低価格ということだけで流行っているような気がする。この程度の味と値段の所なら街中の気の効いた個人営業の店舗がゴマンとある。
まるで時代の寵児の如く言われているが、早晩飽きられるだろう。顧客を引き付けているのが値段だけならなおさらだ。
かみさんが最後に言った。「メニューがこれだけじゃあ、もう食べるものがない。」せいぜい2-3回がよいところ。「この程度なら近所の○○飯店で良い。」かみさんの言葉に納得してしまった。○○飯店は中華なのだが。