よくぞ言ってくれました。

今日の中日夕刊のコラムから。


無料化やら手当ての支給やらが目立つ今回の衆院選の各党マニフェスト
「ただにしよう」「お金をあげる」と競い合って言うのだから、有権者にはお得な話に聞こえるけれど、ちょっと待てよ。
使うのは、もともとわれわれの税金。政治家が懐を痛めるわけじゃない。お代官様が農民から年貢を取り立て「おぬしらにも分け与えるゆえ、言う事を聞け」ともったいぶって配るようなもの。
魚を一匹与えれば一日だが、取り方を教えれば一生食える、と中国の格言にあるとか。お米も田圃にまけば実りが期待できる。
たとえ一粒でも、人気取りのばらまきは困りますだ、お代官様。


これぞ新聞が世に訴えるべき使命。ひさびさに顔のある新聞記事を目にし、溜飲がさがる思いです。
政権を狙う政党が背伸びして国民に甘言を吐くのは世の常。世界中でやっている事だからそれをわざわざ非難する気はありません。それが政権奪取後に全て反故にされるのも世の常。出来る事と出来ない事が解かっている国民の目には「ああ、なりふり構わず頑張ってますなあ。」と映るだけで、過度の期待をしている訳でもないでしょう。
しかし世の中には目?が悪く事の流れが見えない方もいらっしゃいます。そんな方々の為にもこのような記事を発信するのが報道に従事している人の使命です。
日々の暮らしに消えて行くものに使うのも財政、魚の取り方を教えるのに使うのも財政。
戦後の困窮時に採った先人達の政策に見習うのが、今最も重要な事だと私は思っているのですが、それをより具体的に表しているマニフェストはどの政党にも無いようです。それでも意気軒昂なM党よりまだJ党の方が多少ましかな。ただ具体策に乏しいと言う事はやはり大同小異なのでしょう。その点オバマさんは立派です。何にお金を使うかはっきり名言していますから。
今、洋の東西を問わず、世界中がやらなければならない事は皆さんご存知の筈です。オバマさんはグリーンニューディールと呼んでいます。グリーンは環境保全の代名詞、ニューディールケインズの経済学に則った大規模な財政です。グリーン化の為の新たな産業の創成。その為の財政です。この産業が育つ事により、大きな雇用と利益がもたらされそれが繁栄に繋がるのです。
昨年のこの時期、シリコンバレーで行われたあるパネルディスカッションで揚げられた事などはその具体案として恰好なものと思います。
【中高年の知力維持プログラム】【バイオ燃料の開発】【太陽光発電市場の拡大】【効率的な淡水化技術の開発】だったでしょうか。
今ならこれに加えて【EV普及の為の新たなバッテリー開発とその標準化】も大切な項目に挙げられるでしょう。
新たな産業の育成は種を植え芽を出すまでにとてつもなく時間がかかります。技術的な問題、関係者の利害関係など。
芽が出てからもひとり立ちできるまでにとてつもなくお金がかかります。大抵は補助金等で育つのを待ちます。市場で閾値を越えれば後は補助金なしでもひとりで育ってゆけます。
魚の取り方を教えるのにも時間とお金がかかるのです。

大丈夫かなあ、今度の衆院選。人気取りの為に日々のパンをばら撒くことしか思い浮かばないM党が政権奪取に王手をかけるのは間違いなさそうですが、そんな知恵の無い人達に投票する気はありません。かといって既に瓦解してしまったJ党に入れても無駄票となるだけ。いっそK党にでも反対票として入れますか。大人になりきれない幼児集団のK党ならどう転んでも政権担当に繋がる事はないでしょうから。