Pen E-P1

CX-1が高止まり。一時的に25,000円を割った時もあり、いよいよ2万円台前半か? と思っていたが、ここ暫くは27,800円で落着いており下がる気配がない。それでも年末までにはまた値を下げるだろう。
こんな状況の中、日に一度値動きをモニターしていたら気になるものを見つけてしまった。
オリンパスPen E-P1というもので、オリンパスが提唱しているマイクロフォーサーズ規格準拠のデジイチである。
オリンパスはかつてPen Fというハーフサイズの一眼レフを作っていた。他社にない独自の方法でハーフサイズのコンパクトさを維持したままレンズ交換可能な一眼レフに仕上げたのである。まさにアイデアのオンパレード。よくもまあ次から次へとアイデアを結集したものだと感心させられたものだ。当時私に経済的余裕があれば是非手に入れたい一台だった。貧乏学生にそんな余裕はなく、分不相応なニコンFに慣れ親しんでいた事もありそれを手に入れる事はなかった。それでもそれを買った友人に現物を触らせてもらいその機動性に大いに感嘆させられた。
とは言えやはりハーフサイズでは伸ばしに限界がある。半切では粗さが目立つ。たとえ超微粒子のF(ASA32)を使ってもピントのシャープさは甘くなる。やはり中版まで行かなくても35mmフルサイズは欲しい。結果的には無理して買わずに正解だった。
Pen E-P1 はこのPen F を彷彿とさせるのである。フォーサーズ規格なのでそのサイズに合った撮像素子を使っており画素数としては充分である。
個人的にはこの規格は時期尚早だったと思う。撮像素子自体はまだ成長段階で画素数やその密度(エッチングルール)で大きさが各社てんでばらばらである。カメラ自体の大きさは操作性や取り回しから35mmカメラの大きさに収斂するのではないか。そうなると撮像素子の大きさも36mm×24mmくらいに落着くのではないか。フォーサーズの縦横費に拘るのなら32mm×24mmが適性か。
デジイチの勝ち組であるニコン、キャノンなどはフォーサーズなどは度外視し、三種類ほどある撮像素子毎に画角に合わせてレンズの焦点距離の補正値を表示している。理屈が解かっているユーザーにはこれで充分かもしれない。ただし小さな撮像素子のカメラに必要以上に大きなレンズを着けるというのも無駄である。特に山に持ち歩くには撮像素子の大きさに合ったレンズでないと無駄に重くなるだけである。そう言った点ではフォーサーズ規格は理に適っている。ましてマイクロフォーサーズなんていうのはファインダーへ画像を映し出す為のミラーすら取り去っている。大体デジカメに何で今まで後生大事にミラーとペンタプリズムを残していたのか理由が解からない。撮像素子で捉えた画像を小型のLCDでモニターすれば良い事である。カメラ裏面のLCDモニターだろうがファインダー内のモニターであろうが。光学ファインダーが力を発揮するのはマニュアルでピント合わせする時だけだ。マイクロプリズムによるピント合わせは光学ファインダーでしか行えない。今のデジイチには何十ポイントもの合焦点をカメラが選択し人がそこからひとつを選ぶようになっている。光学ファインダーが無くても逃げる手はいくらでもある。
大きさはコンデジ、機能はデジイチ。一言で言うならこれがPen E-P1 の特徴だ。
コンデジも機能的には充分立派になった。唯一足りないのは絞りが1EV(もしくは0.5EV)単位で調整出来ない事である。どのメーカーのコンデジも絞りは3段階のみ。この違いがデジイチとの唯一の違いとなっている。絞りは何も露出を合わせる為だけではない。被写界深度を深めるため絞り込む事もある。逆にポートレートのように背景をぼかすために開放する事もある。動いている物を流してしまうためどうしてもスローシャッターが必要な時もあり、その代償として露出を合わせるには極端に絞り込まなくてはならない。
1EV単位で絞りが調整できるコンデジは無い物か?と思っていたが、Pen E-P1 ならコンデジサイズで一眼そのものである。
CX-1の値が下がらないならいっそPen E-P1 にしてしまうか。
金も無いのに良からぬ事ばかりに頭を巡らせるtanuoさんなのであった。