表意文字

剱岳点の記】が映画化されたそうです。
ちょうど今年のまだ寒い頃、御在所仲間のTさんが【孤高の人】が読みたいと言うので古本を貸してさしあげる事にしたのですが、上巻しか見つからずそのお詫びに傍にあった【点の記】と【芙蓉の人】も纏めてお貸しすることにしました。持ち回りで次はIさんへ、となり御二方とも新田次郎の代表作を読むことになった次第です。そして原作を読んだ上で映画も楽しむ事になるようです。
私? 私はパス。たぶんイメージが違い、感動することもなく「ふ〜ん。」で済んでしまいそうな気がします。
でもNet上ではかなり前評判が良いようです。映像が素晴らしいとかどうとか。
それで今年の夏は剱岳が凄く混雑するだろうとも言われているようです。Iさんも長次郎の雪渓へ行きたいと仰っておられます。あそこの夏は学生さんだらけでそこらじゅうで雪上歩行のお稽古をやっています。もちろん恰好のグリセード練習場でもあります。北側の八ツ峰南面には3級程度で少ピッチのルートが沢山あり、岩雪ともに楽しめる素晴らしいところです。


これらの本、当時赤貧に喘いでいた私にしては贅沢にもすべて装丁のしっかりした単行本です。後のページを開いてみると、
昭和52年8月30日 第一刷
昭和52年10月5日 第二刷
定価 980円
となっています。初刊本だったのですね。これじゃあまだ文庫本は出てませんわ。
大体ドケチの私としてはたかが小説ごときにそんな大金をかけられる訳がありません。思い切った贅沢をしたものです。
(すみません。こんな言い方をすると文学志向の方々は不快に思われるかもしれませんね。価値観の違う理系おバカの世迷い事と受け流してください。)
新田次郎さんって面白い人です。歴史上実在した人をモチーフとした小説は素晴らしい作品で素人の私でも感動します。しかしオリジナルの小品となるとなぜあれほどクサイ三文小説になってしまうのでしょうか。
いかん、うちのS司の大先輩でもあるので貶すのは止めましょ。


そのモデルとなった柴崎芳太郎氏、原作には読み仮名はふってありません。なんの気なしに私は「シバサキ フサタロウ」と読んでいました。「ホウタロウ」なんてありえないし「ヨシタロウ」では舌が回りにくいし、ちょっと呼びにくいがきっと「フサタロウ」だろうと勝手に思い込みそれが30年以上に亘り私の頭の中の古い個室にしまい込まれていたのです。ふとした事で実は「ヨシタロウ」だったと知り驚いている次第です。「カンバシイ」という意味で確か名乗り辞典などでは「フサ」とも読んでいたように思いますがあまり定かではありません。案外この30年間全くの間違いのままだったのかもしれません。思い込みとは恐ろしいものです。
いや、漢字という表意文字にも問題があるのかもしれません。小説という本の中だけの世界に収まっている限りは読みの音なぞどうでも良い事かもしれませんが、映画化されそれもサウンドトラックに音声信号が焼き付けられては正確な音読が必要になります。
う〜ん、日本語は複雑だ。