科学的な思考法

最近S司が二階の元子供部屋で寝るようになった。
T哉が静岡で使っていたデスクをその部屋に持込み、そこで夜なべ仕事をしながらその横に布団を敷いて寝ているようだ。今まで寝ていたのは元子供達の勉強部屋で、そこには私のPCも置いてあり共用しているためひとりになれる場所が欲しいのだろう。
それは別にかまわないのだが、東側の出窓の前に机を置き西側ドアの横にラックを置いている為、必然的にその間で南北方向に横たわる形になる。南側はベランダでカーテンをしていても眩しいのか北側を頭にして寝ている。
かみさんはそれが気に入らないようで事ある毎にS司に向きを替えるように言っている。いわゆる【北枕】である。
こういった事を気にするようになったのは、ずっと昔に私がちょっとした病を患ってからである。退院してからも当時住んでいたマンションの各部屋内のものの配置にも気を遣うようになった。
今の家に移る前にも地鎮祭やら鬼門になにやらおまじないをしたりとか私には理解できない事にお金をかけていた。戌亥の方角に当たる所が凹んでいたのでそこにはプレハブ倉庫を置いたり、鬼門、裏鬼門には大きな木を植えないとか、かなりの拘りようであった。
かといって本当に風水を信じそれに囚われている訳ではない。例え迷信と言われている事でも、それが全くの間違いであると証明されていない以上、万一のリスク回避として行っているだけである。
頭ごなしに迷信と決め付けてしまわず、そういったものにも多少なりともなんらかの因果関係があるかもしれないという可能性も念頭に置きものごとに対処する。
この謙虚さが本当の科学的、合理的な思考法かと私も思う。
古くからの言い伝え、迷信と言われているものをある面では認める、擁護するというのも面白い事である。
ただ、「言う事が聞けないなら出て行って。」とまで言う事もなかろうとは思うが…。