集中? 分散?

結局S司はEee PCの1000H-XをやめてS101を買うようだ。
1000H-Xが160GBのHDDなのに対し、S101は16GBのSSD(ソリッドステートディスクドライブ:所謂シリコンディスク)を搭載している。HDDのように可動部が無いので機械的に強い。(当然振動、衝撃にも強い。)ヘッドを介してのシリアルR/Wではないのでアクセスが速い。容量的には小さいがOS、APだけなら充分である。今のPCに標準的に付いているHDDの容量がオーバースペックなだけである。成果物のデータなどは外付けHDDにでも入れておけば良いのである。
S101の売りとして60GBの無料Webメモリが付いている。と記されている。具体的にどういった使い方になるのか解からないが、メーカーが用意したサーバーに各ユーザー用のスペースが割り当てられるのだろう。そのサーバーへのアクセスは公衆回線を使う事になるのだろうが。
無線LANが標準装備との事。東京、大阪のマクドナルドではWifi接続のサービスを行っているが、そのアクセスポイントの無い地域ではどうするのだろう。自宅のルーター経由でしか実際には使えないのではないか? それならLAN線を繋ぐ方が速い。いずれにしても現物が来なきゃ実態は解からない。


昔のホストシステムでは全ての処理をホストコンピュータ1台が行っており、何台も繋がった端末は単にその入出力装置でしかなかった。
その後UNIXベースのEWSの時代になると、ホストというものは無くなり複数のEWSがLANで繋がり自分の作業は自分で行い共有の資産であるデータを共用する。といった使い方に移っていった。いわゆる分散処理である。1台のホストが全ての端末の面倒を見る集中処理よりパフォーマンスはグンと良くなった。
その流れの延長上で共有資産を管理するデータサーバがそのLAN上に加えられるようになった。それがどんどんでかくなりクライアント側はEWSからPCへと変わっていった。と言っても今のPCは昔のEWSなど比べ物にならないほど能力は高い。それでもデータをサーバーに集中させておくと一元管理ができるメリットも手伝い、サーバーマシンは昔のホストコンピュータのようなハイパフォーマンスなものに進化して行く。よく言われるファットサーバーシンクライアント(デブのサーバー、痩せっぽっちのクライアント)である。
このS101なんてまさにこれを地で行っているようなものだ。自分は小容量のシリコンディスクで高速に軽快に動き、資産であるデータはWeb上のバカでかいサーバーに格納しておく。サーバー自体は厳重に保護されており24時間ノンストップ、ノントラブルで動いている。自機になんらかのトラブルが発生してもサーバー上の資産は保護されている。


かと思えば、最近ではクラウドコンピューティングなんて言葉も流行りだしている。Web上に無数に接続されたPCの処理能力を借りて大きな処理を分散させようと言うものだ。これって昔の分散処理とよく似てない?
時代とともに、集中に傾いたり分散に傾いたり、どんな事柄もそうですが揺れ戻しを繰り返しながら世の中って進んで行くものなのですね。