掃除が趣味

小中学生の頃から学校の掃除をよくサボっていた。
高校の頃など、如何に要領よく合法的にサボるか?とゲーム感覚でサボる事を楽しんでいた。(部活があると大体が大目にみてくれるので、その為に入部したようなものだ。)
当然家の掃除もあまりした事がない。一人暮らしの時なぞ全くやらず、ベッドの下に綿埃が数cm溜まっていた。これがまた保温効果を発揮してくれて暖かったこと…ほんまかいな。
遊びに来た友人が見かねて掃除してくれた事もあった。
そんな私が最近掃除に嵌っている。やりだすと結構面白いのである。次から次へとやらなければならない所が目に付き、やり始めると止めるに止められなくなってしまう。
今日も例外なく暇に任せて掃除をしてしまった。濡れ雑巾を使い続けているので手が荒れてきた。シラウオのようだった(ウソウソ)手がガサガサになってしまった。
結局暗くなり時間切れで中断。て言うか、要領が悪く不器用なので必要以上に時間がかかっているらしい。「たったこれだけやるのにどれだけかかってるの?」とかみさんに呆れられてしまうのである。それでも黙々と楽しみながらやっているのでお目こぼししてくれているようだ。かみさんの目にはひねた子供がひとりいる程度にしか映っていないのだろう。
しかし人生黄昏時になって掃除の楽しみを知るなんて…。今までの長い人生で大きな楽しみをひとつ知らずにいたって事が凄く損をしていたように思う。煙草、酒、その他の遊び、これらの楽しみを知らない人に、「あんたは人生の楽しみのひとつを損している。」などと言って来た私自身が大きな損をしていたのである。


串田孫一氏が晩年掃除に凝っていたと聞く。毎日毎日自らが掃除に汗を流しそれが健康管理に役立っていたそうだ。
ゲゲッ、私ももう片足を棺桶に突っ込んでいるって事かな?