いつも通りに起き出す。
時刻は既に10時近い。寝起きの日課、読書in Bed を済ませてからの起床である。
洗面を済ませた後、覗いた訳ではないがドアが開けっ放しのＴ哉の部屋に目が行く。
布団の上に寝っ転がったまんま仰向きで本を読んでいる。
「なんだこいつ、行儀が悪いな。」と思いつつ声に出すのを止めた。
「あっ、俺と同じ事をしてるのか。似んでも良いとこばっかり似よってからに…。」
階下へ降りて行きPCが置いてあるS司の部屋へ。（元子供達の勉強部屋。いつの間にやらＳ司はここで寝起きするようになってしまった。）
襖も開けたまま布団の上に横臥っているのが見える。まだ寝ているのかな？と思っていたら、こちらも仰向けで本を読んでいる。
「なんだこいつ、行儀が悪いな。」と思いつつ声に出すのを止めた。
「あっ、俺と同じ事をしてるのか。似んでも良いとこばっかり似よってからに…。」
ん？ どこかで同じ事を経験したような…。
デジャブかと思ったらつい先ほどＴ哉に言おうとした事だった。
全く兄弟揃って…、あっ、諸悪の根源はこの俺だった。
全くもう、揃いも揃って似んで良いとこばっかり似よってからに〜。
子供なんて親以外の誰にも似ない。良い所も悪い所も全て親に似るのである。
子供の素行の悪さにお怒りのあなた！ 諸悪の根源はあなた自身にあるのですぞ。叱る前にまず自らが改める事ですね。
