子供はコストセンター?

相変わらずメディアが喧しい。年金、高齢者医療費、介護保険などは、仕組みの改善を図る人達にとっても、それらを受ける側の人達にとっても頭の痛い問題のようです。
景気の低迷から原資が足りないとかなんとか色々言われていますが元凶は単に少子化が進んでいるという事だけです。ですから根本的な対策は子供を増やす(適正な世代間人口分布にする。)事です。
そして今頃になって少子高齢化が声高に叫ばれていますが、ずっと以前から解っていた事です。言い換えれば現在のこの状況はなるべくしてなったことでもあります。
今50代の人達、この世代の人口は50年前に既に解っていた事です。若干減ることはあっても増える事は絶対にありません。そして40代の人口も40年前に、30代の人口は30年前に解っていた事です。
解っていながら子供をつくる事を拒み、或いは躊躇してきた個々人のミクロ的な行為がマクロ的な結果として現われているだけです。
解っていて自分の首を絞めていたのだから、何も今更大騒ぎする事も無いのではないか。と私なぞは捻くれた考え方をしてしまいます。
それでは何故皆さん子供をつくらなかったのでしょう。
戦後のベビーブーマーが成人しその第二世代が就学する頃からこの傾向が顕著になったように見えます。
受験戦争に勝つ為、子供にはお勉強しかさせない。塾通いを含めると膨大な教育費がかかる。親の生活の豊かさを優先させる為、お金のかかる子供はつくらない。・・・子供はコストセンターですか?
その結果として老後を支えてくれる子供達が居なくなってしまった。年金、保険などを支えてくれる若い働き手が少なくなってしまった。全て自分達が行った事への報いでしょ。
我々のような戦後の荒廃の名残を肌で感じながら育った年代には理解しがたい事です。当時は皆衣食住全てにおいて貧しい暮らしをしていました。だからと言って子供をつくらないなんて発想は誰からも出てきませんでした。貧しくても貧しいなりに、少ない食べ物を分け合えば良いではないですか。衣食住に不足していても向学心に燃える人は沢山いました。そんな世の中だからこそ、世の為、人の為という発想が湧いて来るのだと思います。
生活の為に早朝から深夜まで働きづめの親の姿を見ていれば年長の子供は誰に言われるでもなく年下の子供の面倒を見るようになります。周りが思うほど当人達にしてみれば苦しくも辛くもありません。それより家庭内の賑やかさが心の支えになります。
当時と比べ今の生活レベルは考えられないほど豊かになっています。にも拘らず「子供にお金がかかるからつくらない。」って一体どういう事でしょう。
物質的な豊かさに眩惑され、見栄を張る事に追われ、心の豊かさを失い、その結果として自ら招いた少子高齢化。高齢者となる自分達を支えてくれる筈の若い働き手を生み出す事を怠ってしまった。
因果応報じゃないですか。自ら犯した事ですから甘んじて受入れれば良いのではないですか。


なんてきつい事を言いましたが、回避する手立てはまだあります。若い世代の方々、是非子づくりに励んでください。そしてもうひとつ、国内の労働市場を外国籍の人にも開放する事です。これなら子供達が就労するまでの20年を待つ必要もありません。そして年金にも保険にも例外なく加入して貰う事です。いまどきこんな閉鎖性を維持している国なんて日本しかありません。
最近外国籍の親を持つ子供達が日本国籍を取得できるようになったと聞きます。日本の閉鎖性を打ち破る大きな一歩だと感じています。もうひとおしですね。
純粋種?の子供も外国籍の親を持つ子供もすべて日本という国のプロフィットセンターです。決してコストセンターなんかじゃありません。