信用不安

一段落していたかに見えた米国発の金融不安が再燃しているようだ。
他の金融機関のリポートやメディアのニューズで、米住宅公社のファニーメイ、フレディーマックの経営悪化が報じられた事による。
常にアカウンタビリティーが要求され続ける米国では隠す事自体難しく当然の成行きなのだろう。信用不安払拭の為、住宅ローン証券化商品の買取りを重ねた結果膨大な不良債権を背負ってしまったという事らしい。それもこれも根源は信用不安から来た事である。
全ての債券所有者が安全と判断していればこうはならない。安全と思わせる為には額面通りの買取りをしなければならない。どうしようもないジレンマですねえ。信用があれば不良債権でなく信用が無ければ不良債権となってしまう。下支えできる資金があれば良いが、5兆USDという金額は日本のGDPにも相当する額である。米政府が資本注入すると言っても具体的にどうするのか不明である。
信用不安を抑え込む為に、「二公社は倒産させない。」とポールソン財務長官が、とりあえず意思表示をしたってところが実態のようだ。こういった絶妙なタイミングでの意味ある言葉は米国ではよく使われる。実弾は発射しなくても「撃つぞ。」と言葉に出すだけで効果は同じなのである。実弾を発射するのは最後の最後で良い。
結局、前回にも述べた過制動気味に特大の絆創膏を血が出る前に貼り付けたって事か。
完全治癒には至っていないが直るまでこうやって血が出る前に特大絆創膏を貼り続けるのだろう。

その所為かNY株価は続落し続けている。ドルも下げているが、原油も下がっている。先日まではドル下落に従って原油が上がっていたのに。二重の効果でガソリン代が廉くなるのは有難いが、正直言ってやはり世界の基軸通貨であるUSDには強くあって貰いたいものです。(USD基軸という事自体が既に瓦解し始めているのかもしれませんが。)

燃料代高騰への抗議との事で近海漁の漁船が一斉休漁だそうだ。かと思えばEUでは20億EURの支援をするとか。
日本国内でも車の利用が減り都心部の渋滞が解消されているそうだ。原油高も一方では良い面も持っている。
それでは我家も将来どうあるべきか、構想でも練ってみますかねえ。

具体的にどんな形態をとるかは未定だが太陽光発電への補助が復活する。折角だからこれを使わない手は無い。丁度我家のスレート瓦も大分傷んでおり葺き替えを考えていたが、ソーラーパネルを貼りつけるのなら葺き替えなくて済むかもしれない。
発電容量は大きめにしておき、iMiEVを買う。余剰電力はiMiEVへの充電分を見込んでの事だ。昼間の余剰電力は昼間料金で中電に買い取ってもらい、夜間料金でiMiEVに充電。初期投資は大きいが原油への依存は大幅に削減できる。
(iMiEV:三菱のEV。たぶん来年10月くらいに量産品発売になります。)
iMiEVはフル充電でも航続距離が160kmと短く、遠出用に1台は残しておかなくてはならない。燃費の良いDameo君を残しAuちゃんは売ってしまうか。御在所通勤が往復160km程あるのでこちらはDameo君で行く事になる。
フル充電で16kw、家庭用AC100Vでは15Aで11時間の充電となる。その分ソーラーパネルを増やそうとすると通常の倍くらいになりそうだが屋根の面積としては充分である。
気になるのはバッテリー。リチウムイオンは劣化などいろいろと問題含みである。実用耐用年数は? 容量低下のディレーティングは? そして交換時の価格は? 気にはかかるが技術革新は日進月歩。リチウムイオン以外の物に置き換えられてもプラグコンパチなら問題ないし…。
そして今、昭和シェルが元気だ。いえ、ガソリンの話ではありません。並み居る老舗ソーラーパネルメーカーの中で全くの新規参入。そして材料がシリコンでなくCIS(Copper Indium Selenium:銅 インジウム セレンを原料としたもの)薄膜で材料効率が抜群に良い。言い換えれば今後ますます低廉化が可能ということだ。ご存知のように2007年度、日本の太陽電池メーカーの製造が落ち込んだのは原料のシリコンの調達に失敗したから。半導体需要とのバッティングもあり今後もその懸念が残る。その点CISはシリコンほど逼迫はしないし、使う量自体も極端に少ない。発電効率もいずれは良くなって行くでしょう。
昭和シェルも原油高騰から将来の需要減を見越し、化石燃料からの脱却を目論んでいるのでしょう。そう言えば石油メジャーもOPECの油田国有化に伴い、今では原油市場への影響力を急速に失っているらしい。となると他のメジャーも太陽光発電など原油以外のエネルギー市場に参入してくると思われます。我々消費者としては有難い事です。
となると発電所は今後どうなるのだろう。昼間はユーザーが自前で発電、夜間だけ需要が増える。今までと逆転してしまう。夜だけ発電して昼間は火を落とすなんて出来ないし蓄えて置く事もできない。ん?そうか昼間の余剰電力で燃料電池を生成すれば良いのだ。その燃料電池はEVの燃料となりガソリンスタンドに供給。フムフム、将来の様子が何となく見えてきたぞ。
極端に減った原油需要で原油価格は大暴落。「ざまあみろ。」と言いたいがその前にOPEC諸国に原油以外の産業を立ち上げておいて貰わなきゃ困る。経済的に安定する事が政治的安定の大前提であるから。この世で春が謳歌出来ればイスラム原理主義なぞに走る事もなくなる。