Marde Dameo Impressions その2 

夕べかみさんが言った。「午後四時までだったら車貸したげるわ。」
しかし天気予報では明日は雨だった筈。生返事のまま御在所通いの仕度もせずに就寝。


明方トイレに起きる。年寄はおしっこが近くていかん。時計を見るとまだ四時を少し回ったところ。雨はまだ降っていない。それどころか明るくなった空に月が白く霞んでいる。
「目覚めたついで、試乗会を兼ねて行ってくるか。」かみさんを起こさないよう、カーテンも開けず手探りで仕度を始める。
Auに入れっぱなしの荷物をDameo君に積み替えて…、なにか忘れ物をしているような、そうでもないような。


Dameo君は軽快に走る。まだ馴らし中だしエコラン時の燃費も知りたいしと、のんびり走っていても気軽にひょいひょいと動き回れる。車重の軽いコンパクトカーならではの軽快さだ。
シートの座りはやはり悪い。座面両横の出っ張りはそこそこある。座りの悪さは臀部のクッションが分厚い所為のようだ。もう少し薄くしてくれればそれなりに安定するだろうに。但しこのシート、ホールドは悪くは無い。帰路で大きなループを走った時にそれを感じた。横Gを受けていても身体はグッと支えられている。悪いのはケツが感じる座りの悪さだけのようだ。シート座面の奥行きの狭さもその一因かもしれない。これは今や全ての日本車に言える事で、室内空間、足元クリアランスのカタログスペックを良く見せる為にシートの奥行きは皆浅くなっている。これを広めた元凶はかのT車である。因みにAuちゃんなんぞは膝関節後側がシート前面に当るくらい奥行きが深い。私の足が短い所為でもあるが。


タコメーターが見難い。CVTであるためタコメーターを頻繁に見る必要が無いからだろうか。目盛が詰まっており(1目盛500r.p.m.)それがまた小さく老眼には辛い。せめて常用域(1,000r.p.m.〜4,000r.p.m.)だけでも目盛間隔を広げて欲しい。角度と回転数との比はリニアでなくても良い。(Auちゃんのスピードメーターは低速域では広く、高速域では狭くと目盛間隔を変えてあります。こういった細かい所に拘っているところがドイツ車は実用的と謂われる所以でしょう。)
スタートから加速してゆくとCVT独特のタコメーターの動きをする。よって回転数はそう上がることはない。ギヤ比が最上段の状態で、2,000r.p.m.で90km/H近辺。(タコメーターが見難い為あまり正確ではないが。)同じ速度なら回転数が少ない方が燃費は良い。この値ならDameo君の燃費は良い筈だ。
マニュアルシフトも試してみたが、エコランするならCVTによるATの方が良さそうだ。ATだと常に適性ギヤ比を車が選んでくれるので無駄に回転が上がる事も、回転が低すぎノック寸前って事もない。CVTのパワーロスがどの程度のものかはわからないが。
ATモードからMTモードに切替えると低速側のギヤ比に固定されるようだ。切替SWを押した瞬間回転がグンと上がる。それからパドルSWでシフトアップしてもその時の燃費の無駄はなくならない。やはりMTモードは、低速ギヤで引っ張る、と言ったスポーツ走行専用と見た方が良いようだ。
エコラン時に下り坂で転がそうとしても、CVTの場合そのままではギヤ比が固定されるようでエンジンブレーキがかかった状態になる。そんな場合はMTモードで高速ギヤにシフトしてそのまま転がす事ができる。但し運転上のリスクを考えるとそこまでする事も無いでしょう。


FFにありがちなリアタイヤがポンポコと跳ねる現象は全くない。FRかと思うような動きだ。(シボレークルーズは凄くリアが跳ねます。)
スイフトのような重厚な剛性感は相変わらず感じられないが、足回りのしなやかさはピカイチ。降りの急カーブでかなりの進入スピードでもしっかり食いついてターンして行く。加速、減速でアンダーステアオーバーステアが加減出来るFFの強みもある。おまけに195/45の扁平タイヤも効いているのだろう。


アミラーの可視範囲が少し狭いように感じる。車線変更時は癖で必ず振り返って見ているので進路妨害をする事は無かったが、振り向いた瞬間予期せぬ所に車がいて驚かされた。


帰り道で右からトラックに被せられた。別にカッとなった訳ではないが、鬱陶しいので右へ出て加速、追い抜いてから充分距離を置いて左車線に戻った。その時のエンジン音が「グワァーーーン」というツインカムの音だった。
そうだったんだ。最近の車は殆どがツインカム。回転が上がらないと気が付かないが、やはり良い音ですね〜。
「あっ、今タコ見てなかったけどどれくらい回しちゃったんだろ?」馴らし中である事を思い出すtanuoさんであった。


帰宅前に給油。173.5kmで9.71L。「えっ、10L入らないの?」燃費は18km/L弱。
かみさんは「15km/L行かないくらいだ。」と言っていたが思わぬ好結果に心ウキウキ。おまけにレギュラーで良いのである。
やはり低燃費のコンパクトカーにして大正解。そこそこ走りも楽しめてこの燃費。これなら200円/Lになっても我慢できそう。…あっ、こんな事言ったら周りの顰蹙を買いそう。ないしょないしょ。