エイプリルフールも過ぎた事だし…。

国際世論調査の結果として、「世界に良い影響を与えている国として日本とドイツがトップに挙げられている。」と4月1日のBBC放送で伝えられたそうだ。BBCと言うと世界的にも権威のある放送局でその公平性においても定評がある。NHK同様有料放送局ではあるが、聴取料は受信機購入時に一度払うだけである。NHKのように聴取料不払いなど起こりようも無く、その点の公平性も徹底している。勿論英国政府の官営放送などではなく政府に対しても公平な論評を貫いている。
そんな権威のあるBBCからのニューズではあるが、それだからこそ余計に恥ずかしい。ドイツがトップというのは私も納得できるが、日本は「軽蔑の対象としてのトップ」と言われた方がまだ気が楽だ。
これってもしかしてエイプリルフール?


昨日4/1は日本では、揮発油税暫定税率の期限切れで大騒ぎだったようだ。たとえ1L当たり10円、20円でも庶民の懐には大変なインパクトがある。値下げした店に客が群がるのは当然の事だ。しかしまた直ぐ元に戻る事は明らかだ。いたずらに市場を混乱させただけの話である。また戻してもらわなきゃ国の台所がもたない。こんなバカな事をやらず一般財源化しそこから必要なものに予算配分すれば良いことである。誰も民主党のおかげでガソリンが値下げしたなぞとは思っていない。民意を掴んでいるなんて思っているとしたら全くの大馬鹿者だ。いずれ選挙で結果は出る。民主敗北は目に見えている。無責任に反対の為の反対を通してきた旧社会党と同じ道を歩むだけだ。反対の為の反対が十八番の共産党だって誰も相手にしていない。世間知らずの一部の若者が支持しているが、熱病のようなもので常識を備えるようになれば皆離れて行く。
年金問題でも、調査が進まない事で桝添大臣の問責決議案を出すとか宣わっているそうだ。誰がやってもやれる事には限度がある。良くやっていると私は思う。民主党の方々、あなた方ならきっちりとやれるんですか?やれもしないくせに無責任な事をいうもんじゃありません。こういった無責任さを国民はきっちりと見ているのですよ。「ああこれじゃあまだ自民党の方がずっとましだ。」ってね。


そしてもうひとつ。
2007年度の太陽電池セルの生産量でついに日本勢が首位を明け渡した。トップだったシャープだけでなく国内メーカー軒並みの生産量ダウンである。従来この分野では日本がずっとトップの座にあり、この産業自体を牽引してきたのである。
そしてトップに躍り出たのは、冒頭で日本と一緒に「世界に良い影響を与えている国」のトップに選ばれたドイツである。
なぜ? 国のエネルギー政策の失敗が原因である。民間の努力だけでは限度がある。全ての関係業界を巻き込んで同じ方向へ進まなければ大きな力にはならない。そのベクトルを合わせるのが政府の役割である。政争に明け暮れている内、民間企業は今までの強みでさえ失って行くのである。
日本の行政にはその道のブレーンが皆無である。また民間から集めて政策に反映するというしくみも無い。素人集団の官僚が策定したものをそのまま政策とするだけである。素人の思いつきで重要な政策が決められてしまうのである。米国のように民間人も含めたブレーンを擁してホワイトハウス入りする。という事は絶対にない。人事権の及ばない官僚の設えたものしかないのである。首になる事が無いのならどんな無責任な思いつきでも出てきますわなあ。
そして今、日本のエネルギー政策はプルサーマル一色である。全世界の全ての国が断念した核燃料サイクルである。そして今新聞でも地層処理が喧伝されている。その文句に地層処理で数千年は持ち堪えられると謳っている。プルトニウムなどの半減期は数万年である事を知った上で言っているのだろうか。数千年後の子孫に負の遺産のお守りをさせる気なのだろうか。地質的に不安定な日本よりドイツなど欧州の岩塩層の方が余程安定らしい。それでもドイツ国民は負の遺産を未来の子孫に負わせるより、今脱原子力を選択したのである。その代替エネルギーとして褐炭による火力発電が最もウエイトが大きいが、それを補足する上で風力、太陽光発電を進めている。
(褐炭の埋蔵量は全世界の6割(だったかな?)がドイツにあるそうだ。)
つい昨年のデータでは全世界の風力発電量の1/3をドイツが占めていた。もちろんダントツのトップである。
そして太陽光発電でもそのセルの生産量でついに世界のトップに躍り出た。これはドイツ政府主導の政策に寄る所が大きい。それはフィード・イン・タリフ(FIT)と呼ばれる固定価格買い取り制度である。家庭などの太陽電池で発電した電力を、電力会社が市場価格より高く買い取るよう義務づけたもので、太陽光による発電分は、通常の電力価格の2〜3倍で買い取られる。毎年5%ずつ引き下げられるが、20年間は買い取りが保証され、約10年で初期費用が回収できる。
日本では電力会社各社の猛反対で実現しなかったようだ。
車の燃料についてもやっとエタノールを数%添加する動きも出てきたが、それも政府主導で民間と一体で、という気配は全く無い。
ドイツでは食用穀物からエタノールを作るような馬鹿な事は考えていない。穀物収穫の後に残った大量の廃棄物(藁など:通常は焼却していた)からバイオディーゼル燃料を生成する方法を開発している。エタノールやガソリンよりエネルギー効率が良いので同じ運動エネルギーを得るのに放出するCO2が少ない。


目先の事しか考えない企業、将来への展望など全く持ち合わせていない役人の言いなりの政府、政争しか頭に無い野党と国会。
はたしてこんな情けない国が、世界に良い影響なぞ与えているのだろうか。
やはりエープリルフールジョークだったのだろうか。