書き忘れ

上村愛子がワールドカップ年間優勝だそうである。素晴らしい事ではあるが後2年この勢いを保てるだろうか。正直言って難しい。
国内で騒がれ続けているにも拘らず世界の大きな壁に阻まれ続けている悲劇の女王である。
思えば長野では格下と思われていた里谷多英にあっさりと金を持っていかれ、ソルトレイクでもメダルに届かず、トリノでもやはり届かず…。記者会見でもそのひたむきさについ涙を誘われてしまい、ついつい同情してしまう。
しかしこの結果はなるべくしてなったものだと私は思う。第一にモーグルという競技の意味を履き違えていた事。そしてどんな競技もそうだが時の流れと供にそのルールが変わってゆくものである。刻々と変化してゆく評価基準を捉え続けていないと的外れなものに力を注ぐ事に終わってしまうのである。その基準も世界と国内では明らかにズレがある。その二重基準に対応してゆく事も世界を目指すアスリートには必要不可欠な事なのである。
競技の意味を履き違えていたと言ったが、モーグルとは本来タイムを競うものである。タイムを妨げる障害として要所要所にエアーが義務付けられており、その難易度、完成度がタイムに加算されるが、基本はタイムなのである。それを履き違え大技を決めてもタイムが出ず敗退したのがトリノである。JOCもスキー協会もそんなルールの変化の基本にあるものなぞ全く理解していない。常に数年前の世界基準を追い続けているだけである。そんなものに照準を合わせても世界に通用する訳がない。
そこの所を見据えた上で堂々金を獲得したのが、種目は違うが荒川静香である。国内選考会向けにイナバウアーを封印、晴れの国際舞台では全世界にエンターテイメントとしてのフィギャースケートを演じたのである。オリンピックで演じたものを選考会で演じていたらオリンピックには出場出来なかった可能性が高い。(figure:形 の発音はフィギアよりフィギャーに近い。)
近年国際大会でのJudoと日本の柔道とのルールの乖離が激しい。本来は日本の武道であり日本のルールに従うべきではあるが、世界に飛び出したJudoは既に独り歩きしているのである。世界基準のJudoと日本の柔道は分けて考えるべき時に来ているのかもしれない。


クリーンディーゼル車、”悪玉”一転エコの主役】 大きな見出しで人の目を誘う。
やっと日本でもこんな記事を見かけるようになったか。お上主導でディーゼルに捺された烙印も、時代に合わなくなりいよいよ撤回か。
その間各自動車メーカーはディーゼル車の技術が世界から取り残されていたかと思えばそうでもない。やはり日本企業はクレバーである。欧州向け乗用車販売にあわせて弛まず先進技術に磨きをかけていたのである。お上の言うなりじゃ生き残っていけませんからねえ。ここにもスポーツ同様、世界向けと日本向けの二重基準が存在していたようだ。
日本国内でもAudi A5が発売されるようになったが、これで3.0TDIも販売されるかもしれない。ルマンで培ったTDIの技術が逸早く市販車に盛り込まれたものである。ルマンで実証された、高出力、低燃費、かつクリーンという最先端のエンジンが市販車に搭載され既に欧州では市販されているのである。
【レースは大きな実験場】これが欧州車の思想である。市販車に応用するための実験場というのがレースの位置付けである。市販車に応用出来ない技術をいくらレースカーに搭載して高成績を得ても単に社名の宣伝でしかない。日本のメーカーは世界の最先端にいると信じているあなた! 二重基準の一方しか見ていない事を自覚して下さい。市販車に結びつかないものをレースという実験場に持込んでも意味が無い、と考えているメーカーが世界では一般的であるという事も。
A5 3.0TDIが販売されたら生涯一度の贅沢で買っちゃおうかな〜。


あれ〜、しょうも無いこと書いてたら【篤姫】が終わっとった。しもうた、しもうた。んじゃ開けたら?