御在所敗退記

あっ、晴れとるやんけ。
湿気で靄ってはいるものの空は薄ら青い。早朝のロングドライブの後、朝食をとり新聞に目を通し一息ついたところ。


今朝、家を出て車に乗り込む時に頭に雨粒。フロントガラスは凍っていない。曇っており気温も高い証拠だ。
座席につくとフロントガラスには沢山の雨滴が付いている。「(御在所は)今日は小雪か?」
終始フロントガラスに雨粒が当っているがポツポツ程度。「大降りじゃなきゃ良いか。」
ガソリンが無駄になる事とメタボ予防とを常に天秤に掛けているのである。降るなら早めに本降りになってくれた方が諦めもつきガソリンも無駄が少なくて済む。いかにも【まるビ】親爺の考えそうな事だ。


ポツポツ程度だった雨粒も、十一屋まで来ると本降りに。ここで決断、「帰ろうっと。」
既に30kmは走っているが、往復60kmのガソリンの無駄なら我慢の範囲内。後100km分の無駄を出さずに済んで良かった。メタボ化が心配だが食べるのを止めれば良いことだし…。
宝神の信号で右折。「そうだこのまま1号線へ抜けてIの家の近くを通ってみよう。」
何年か前に何度か行った事があるが、どの辺だったかはっきりしない。学生時代は彼の両親にも世話になりっぱなしだったし、たまには小母さん(Iの母親)のご機嫌伺いに寄っても罰はあたらない。しかし御在所の帰りとなるとどうしても足が遠退く。何かのきっかけで行く時の為にも、どの辺りだったか確認しておこうと思ったのだ。
今はまだ午前6時前。こんな時刻に伺う訳にはいかないが、夜明け前の市内は道路もガラガラである。こんな時なら探すのも苦にならない。
1号線で右折し東進する。たしかスーパージャンボ(軽四専門の中古車屋)が傍にあったような。
スーパージャンボはすぐ見つかり、道路南側へ右折。暫く探すが見つからない。
「まあいいや、帰ろう。」1号線へ戻り、23号線へ向かう。だんだん空が白み始めた。「そういえば雨止んじゃったなあ。」これからまた御在所へ向かう気にもなれず、23号線を東進。帰途に就く。
白みかけた空は雲が多いが薄っすらと青みがさしている所もある。御在所は小雪程度かもしれないがまあいいさ。帰って寝よっ。
途中でまた雨足が強くなると「選択を誤っていなかった。」と嬉しくなる、どこか変なおっさんである。


帰宅間際にガソリンを補充しておく。使った分だけは入れといてやらないと。
「えっ、5Lも入らない?」ざっと暗算しても13km/Lは出ている。そうか御在所の登りがなければカルちゃんもこんなに燃費が良いのか。新しい発見である。
7時前には帰宅。かくして本日の御在所通勤は敗退に終わったのである。
残り物で食事をしていたらかみさんが降りてきた。
「あれ、なんでいるの?」解っているくせに皮肉なやつだ。
「あれ、早いね。もう行くの?」
「起こしてくれるあんたがいないからだ。」しかたなく自分で起きたってことか。
「じゃあ、カルちゃんで行こっ。」
「カルちゃん洗っておいてやるからAuで行ったら?」
「雨降ってるならボロだ。」
その後2人で新聞をシェアしながら見る。News Paper sharingは我家の毎度のパターンなのである。ああ、また新聞がバラバラに…。