もう咲いてました。

これと言ってやることは無し。
外に目を遣ると柔らかな陽射しの中、逆光気味の光を受けてなにやら黄色いものが見える。
「あっ、もう咲いているのかな?」
カメラを手に庭に出ると、点々と融け残った雪の中、やはり蝋梅が咲いていた。
日向は暖かいが日陰に入ると気温の低さが感じられる。そんな中にあっても植物というものは逸早く季節を感じとり、その姿を人に伝えてくれる。



雪解け水をしっかり含み、吸いきれなくなった水溜りがあちこち残る庭の一角、日当たりの良い所にはもう春を告げる雑草が葉を広げている。その中には気の早い事に小さな花を付けているものもある。ホトケノザか。

隣家との境の山茶花は、殆どの花が草臥れ果て色褪せたむくろと化している。が、その中にもまだこれからという蕾もいくつかはある。

またその北側の日当たりの良い所には気の早い草花が咲き始めている。

その隣にも…


驚いた事にバラまでが大きく蕾を膨らませているが、少し様子がおかしい。表面がチリヂリになっており霜枯れのような様子。
このまま蕾のドライフラワーになってしまうのか?

かと思えば傍のプランターの中には雪の冷たさなぞものともしない花もいる。


ちらほらと春の便りは伝えてくれるもののまだまだ寒い日が続く。
殆どの草木は未だ冬の眠りの中。枯木枯草のままである。
それでも3月の声を聞けばそれぞれが芽吹き出し、この鈍感な親爺の目を楽しませてくれるのである。