目から鱗

めっきり寒くなった。火の気の無い部屋でPCに向かっていると、たとえ風呂上りでも足先から冷えてくる。
「う〜ん、堪らん。」と象足を探しに行く。
あったあった、ちゃ〜んとあった。これからの季節、無くてはならない我家の必需品である。
ああ、暖かい。…昔の道具も今ではこんな所でしか活躍の場が無いのである。
しかしまあ知らない人が見たらさぞかし滑稽な事だろう。本来ならテントか雪洞の中でしか履かないものである。ん?我家って雪洞並みの寒さなのか? まさかね〜。


今朝のメールチェック時にとても面白い記事を見た。ある雑誌社から毎日送られてくるものでその中に掲載されていたものだ。
最近の相撲界の出来事を通じて、相撲ビジネスという視点からの論調である。
題して「朝青龍謝罪で思う、大相撲ビジネスにおける経営の不在」
過度の朝青龍バッシングに不可解さを感じていた事もあり、全くの【目から鱗】である。
妬みから来るものなのか、マスコミの異常さとそれに追随する協会、横審の対応の異常さに釈然としなかったものが、この論調のおかげでなんとか整理がついた。
企業経営に例えて本来あるべき姿を唱えているのだが、全くその通りである。
私自身はへそまがりの判官贔屓なのでどうしても立場の弱い側を応援してしまう。そして謂れの無い非難中傷をするマスコミとそのシンパである一般相撲ファンの非常識さをただ嘆いていただけであるが、その人達を非難しても何も良くはならない。
商売が成り立たないのを客の所為にするのは最も愚かな事である。顧客(一般の相撲ファン)の中にはそういった顧客層もいる事は事実である。それならばその顧客層も優良顧客となるように勤めるべきである。
ではどうするか。筆者が言うように問題が大きくならない内に早め早めの効果的な対応を採れば良いだけである。ブランドとしての朝青龍を経営者である協会理事長が叱るのではなく、ブランド(朝青龍)を伴って自らが顧客(相撲ファン)に謝るのである。こういったジェスチャーはビジネス界ではあたりまえの事であり、それで顧客の怒りは治まるものである。火付け役のマスコミもそれ以上難癖つける口実が無くなってしまうのである。
企業経営に置き換えるとこうもすっきりするとは全く気付かなかった。
それにしても相撲協会の構成員ひとりひとりが自分のあるべき姿、採るべきスタンスを全く理解していない、というのも面白い。
ただ相撲が強かっただけの人や相撲なぞ全く知らない門外漢が構成していればそうならざるをえない。
謂わば優秀な職人さんや異業種の職人さんを管理にあたらせているようなものである。職人さんは得意な仕事では能力を発揮するが管理能力があるかどうかは全く解らない、いやむしろ無いのが一般的である。これも企業経営に当てはめてみると至極当然の事なのである。


ある事柄を解析することでそこに潜む法則なり真理を導き出そうとするのは米国人の得意とするところである。特にビジネス界でのハーバード流の解析は有名である。(Harvard Business Reviewなどの論文は日本でも購読者が多い)世界中で初めて労働と言うものを科学的に解析したF.W.テーラーにその起源を発しているのかもしれない。
MBA(Master of Business Administration)などという資格も米国で生まれ今や世界中に広がっている。そしてマッキンゼー、ボストンコンサルティング、などの経営コンサルが生まれたのも米国である。ただ有名コンサル、MBAホルダーが立派な経営者になれるとは言えない。いや絶対になれないというのが事実である。
しかしこうやっていろんなものを科学するのは良いことである。立派な経営者、管理者になれなくとも、やってはいけない事を多く知っていれば、少なくともその事で失敗する事は無い。
相撲協会の理事達、横審の皆さん、相撲界の発展の為に自分がどう振舞うべきかじっくり考えて下さい。稼ぎ頭である最も重要なブランド(朝青龍)を地に落とさない為にも。
この方達にもHarvard Business Reviewを購読して貰いたいものです。