さすが天下のNHK

どんなものにも多様な見方がある。一面だけに囚われずさまざまな意見を公平に報道する。それが報道機関の使命である。
視聴率さえ取れればどんなバカな事でも平気、ヤラセ報道など日常茶飯事の民放各社などとはやはり品位からして違う。比べる事自体がとんでもない事なのだが。


赤福についてはもう何も言う気は無かった。数日前の新聞には「売れ残りは全て廃棄する事で県と協議中。」との記事が出ていた。無駄に捨てる物が出ればそれらはすべてコストとなる。コストアップ分は製品価格に転嫁されるだけである。正義の味方を気取って弱者を叩き尽くした結果が、赤福に限らず全ての食品の価格高騰に繋がるだけの事である。昔の冷凍設備なぞとは比べものにならない、安全かつ風味落ちしない文明の利器がありながら、いたずらに資源の無駄と消費者物価アップという愚行を助長しただけの事である。
まき直し様の事は和菓子の世界ではごくあたりまえの手法であり何百年の歴史を持つひとつの食文化なのである。
長きに亘るその実績は、風味のみならず安全性までも実証しているとは思わないのだろうか。中学生だって浸透圧が高いと細菌が繁殖し難い事くらい知っている。
子供じゃあるまいし、ある一面だけを取上げて得意満面勝ち誇ったように弱者を叩き尽くす。この幼稚な連中には常識の欠片も品位の欠片も見出せない。
そんな中、昨夜のNHK教育TVの【視点・論点】である。解説者は民放各社や政府機関を非難するような発言は避けていたが明らかに資源の無駄を嘆いていた。今後いかに無駄を抑え冷凍などの必要な処置を有効に組合わせていくか、そしてその手法を公表していく事の重要性を説いていた。
赤福叩き一色のメディアの世界にあってこういったフェアな意見を言う機会を提供してくれるのはやはりNHKしか無い。
赤福、地鶏などについては明らかにアカウンタビリティーの欠如とそのルール違反である。問題はそのアカウンタビリティーについてだけであり安全性とは全く無関係の事なのである。それをあたかも食ってはならないものを売っていたかのように話をすり替えてしまうのは民放の天才的特技である。もうちょっとその力をまともな方へ使えば良いものを。

お役人様の特質は保身の巧みさである。たとえ悪意の内部告発でも「告発があったのに何もしなかった。」と言われるのを怖れているだけである。そして杓子定規にルール違反を摘発する。食の安全、風味の問題とは全く関係のないところで。
それを皆で叩いて喜んでいるのが民放や新聞各紙である。まるっきり今の学校のいじめの構造と同じである。よってたかっていじめる事で得られる鬱屈した喜びしか楽しみが無いようである。それを見て喜んでいる人、これらの人もいじめに加担している人である。うやって低次元の喜びに浸っている内、資源の無駄と消費者物価の高騰、焼却処分によるCO2の増加、と自分で自分の首を絞めている事に気付かないのでしょうかねえ。