やっと一段落

ふ〜、草臥れちまったぜぃ。
気がかりな事もなんとか片付きやっと一息。後は残った処理を片付けるだけ。
緊張のしづめだった所為か凄い脱力感。おまけに週末って事もあり尚更である。それでも健康管理のため明日は御在所通い。なんの因果でこんな事やってるんだろう。
日課のメールチェックをしていたらIさんから「乗鞍のお勧めコースは?」との問い合わせ。
私も知らなかったがいろんなコースがあるらしい。
私が知っているのはスカイライン経由か、乗鞍高原スキー場からのものだけである。これ以外は全く知らないし、行って見ようと言う気すら起こらない。やはり私はなにもかも一穴主義のようだ。そう実はスカイラインもドライブメインでしか行っていない。専らお金のかからない乗鞍高原スキー場からばかりである。畳平まで上がる場合もこちらからが殆どである。私って本当にドケチのしみったれなんだなあ。
そして11月に入ってから乗鞍へ行った事もない。紅葉狩りならせいぜい10月半ばくらいまでである。この頃までなら車で畳平まで上がれる。そしてこの頃までがこの一帯の紅葉の見頃である。それより遅いと三本滝のゲートが閉鎖されてしまったような気がする。雪もないのにこんなところから歩く気がしない。
昔は春先でも鈴蘭荘までしか車が入れず、ここから歩きだったように思う。スキー場が営業終了してもまだゲレンデには雪がたっぷり残っており、その雪の上をダイレクトに登ってゆくのである。雪が無い季節なんて歩けるのかな?夏道あるのかな?


ゲレンデを直上し最終リフトの終点からは樹林の中(ここも夏道があるのかどうかわからん。)を通り尾根の北側側面に沿って行く。谷を隔てて指呼の距離に冷泉小屋を見ながらなおも行くとやがてその谷が狭まり隣の尾根と合流する。そこに位ヶ原山荘がある。位ヶ原のだだっ広い平原はこちらの尾根の上部でありそこへ出るにはもう少し登らなければならない。普通は位ヶ原へは出ずにそのまま谷を詰めて肩の小屋まで登ってしまう。位ヶ原山荘辺りが樹林限界でここを過ぎると突起物なぞ全く無い滑らかなそして傾斜も緩やかな雪原である。高度を上げてゆくとやがて左前方に剣が峰の白きたおやかな峰を望むようになる。真っ白な雪原と黒い程濃い色の青空のコントラストに眼を射られ、グラサンなぞ全く役に立っていないのではないか、と疑いたくなるほどの眩しさである。そしてこの辺りは丁度風の陰になっており初春の陽光にジリジリと肌を焙られながらの登行となるのである。
しかし前方の富士見岳稜線に目を遣れば凄まじいラフェーンが巻き上がっている。上は強風が吹き荒んでいる証拠だ。
はたして肩の小屋が近付いてくると風の音が強くなってくる。そして先程までとは全くの別世界に踏み込む。凄まじい強風と地吹雪。空は晴れていても全く視界が利かなくなる時さえある。肩の小屋近くで疲労凍死していた人の話をよく聞いたものだが、こんな状況を身を持って体験すると「さもありなん。」と実感する。こんなに良い天気なのに。これで悪天なら方向を失ってもちっとも不思議ではない。


あれっ、いつの間に昔の思い出に浸っていたのだろう。
それほどまでに乗鞍というと春スキーの印象が強いのである。と言いながらももう一人ではあんな遠く(実際にはそれほどではないのだが)まで行く気がしない、軟弱おじさんのtanuoさんなのである。