クリエイティブ・クラス

夕刊によると、日本留学を希望する中国人に対し入国管理局がビザ交付を渋っているらしい。
中国人による犯罪や不法残留が増えた為なのか、それとも何か不条理な力が働いての事なのか?
学問の世界は本来オープンな筈である。戦前のような封建的な時代でも多くの中国人を受け入れて来たではないか。日本などの海外で高度な教育を受けた人達が今の中国を作り上げてきたのである。いや中国に限らず韓国も台湾もそうである。
留学による恩恵を受けるのは学ぶ側だけではない。それらの学生を受け入れる側も異文化に触れ多大な影響を受けるのである。お互いが刺激を受け合いシナジーが起こるのである。
アメリカの繁栄も、全世界から留学生達をオープンに受け入れてきた大学に負うところが大きい。アメリカ人だけではこれほどの繁栄は為し得なかっただろう。
一昔前に何かと話題に上ったシリコンバレーも多くのインド人、中国人、アラブ人によるところが大きい。シリコンバレーにあるスタンフォード大、カリフォルニア大バークレー校などが輩出する、質、量ともに膨大な頭脳集団、そして国籍に囚われずやる気のある若者に手を差し向けるメンターの存在。このオープンな環境が1990年代のアメリカの大躍進を支えてきたのである。
そのアメリカも9.11テロ以来外国人、特にアラブ系の入国に対し規制をかけ始めている。こんなことをしてもテロ目的の者は何をしてでも入り込んで来るのである。向学心に燃える若者だけが入国できないだけである。ブッシュって本当に頭が悪いなあ。
それにも増して頭が悪いのが我が国の官僚とその言いなりになっている政府である。
留学を希望している若者達は全てクリエイティブ・クラスの卵なのである。
アメリカの例でも解かる様に、留学先で起業した人達はそのままその国のクリエイティブ・クラスとなり、GNP向上に大きく貢献している。
貧しい国から来た留学生達は(例え裕福な家庭の出身でも)非常にハングリーである。ただ漫然と勉強しているだけではない。日本人学生よりしっかりした目的意識を持ち、私利私欲だけでなく滅私奉公の精神も持ち合わせながら勉学に励んでいるのである。


未来へのビジョンも何もない、行き当りばったりのお役人の言いなりになってたんじゃあ世も末ですなあ。
通称【勝ち組】の動脈硬化を起こした脳ミソでは一寸先も見えやしない。