夕刊から

安倍さん、就任後初の施政方針演説で「改憲議論を強く促した。」そうだ。が、具体的な話は無く、形の上だけってところか。
改憲というと直ぐ九条の改正と短絡してしまう人も多いが、これも含めて議論する事はなにも憚る事ではない。タブー視する事が最も危険なことではないか。
元はといえばこの九条、狡猾な吉田茂元首相が有利な講和条約締結条件を導きだす為に用意したものらしい。もともとこのような高邁な思想だけで独立なぞ保てるものではない。すぐお隣には北朝鮮のような今世紀最悪のテロ国家が居座っているのである。米国の覇権主義を是認する替わりに安保ただ乗りしているのは誰の目にも明らかである。
吉田さん、草葉の陰で苦笑いしてるのだろうなあ。「いつまで後生大事にあんなものを守り続けているんだ?」って。
と言いながらも私自身、九条は素晴らしいものだと思っている。60年の永きに亘りこの憲法が維持できたのは奇跡に等しい。
現実的な見方をすれば、本当の独立国ならば自らの力で防衛体制を採るべきである。しかし夢追い人と思われるかもしれないが、可能であればキリストさんのような生き方を国家として継続してみたい。まるでジョン・レノンのイマジンである。
you may say I'm a dreamer.
but I'm not the only one.
I hope someday you'll join us
and the world will be as one.


そのすぐ下に【紙つぶて】の欄がある。「ミモザロウバイ」という見出しが目に映った。ミモザというと本当のアカシアであり、すぐその事が頭に浮かぶ。同時に両方の花も連想する。またニセアカシア(ハリエンジュ)の花と甘ったるい香り、そしてクマンバチも連想する。そんな事を思いながら目を通していると、なんとこの方、ミモザ=アカシアって事をご存知なかったらしい。しかしながらそんなとりとめの無い事を語りながら話として纏めてしまうところはさすがに作家先生である。
家にもミモザロウバイもありますよ。ぼちぼち花を付ける頃かな。
あっても朝晩目に留める事も無くいつも素通り。こんな記事でも見ない限り、季節を感じる事もなく日常に埋没したままなんだなあ。


またその下に【夕歩道】なるコラムがある。学級崩壊の低年齢化進行の記事。保育所での三歳児の崩壊が問題化しているとか。
親に躾けられていない子が親になり躾が出来ないという連鎖がもたらしたものか。
私は放蕩者の父親に捨てられたも同然で、祖母の手で育てられた。親からの躾はなくても友人や先生方から多大な影響を受けた。親の所為だけにするのは簡単だが、人って親だけに育てられる訳ではない。周りにいる全ての人から影響を受け自ら育つものだと思う。結局は自分自身の責任だ。怠惰な親のもとに生まれてくる子供は不憫である。親が駄目なら周りの他人がもっと関わってやるべきだ。そうは思うものの、自宅の庭の草木ですら目に入らない者に他所の子供のことなんて全く気が付かないだろうなあ。