つづき

夕方、「肉を焼くから炭火を熾せ。」とかみさんが言う。
もう外は暗いし、寒いので「厭だ。」と言ったが結局押し切られてしまった。食うものはいっぱい残っているのである。
数日前のカレー、すき焼きの残り(といってもすき焼き鍋にまだ山盛り残っている。その他諸々。それでステーキなぞ焼こうものならまた残ってしまう。全く何を考えてんだか。
寒い中、玄関の灯りを頼りに火を熾し始める。団扇でバタバタ「あ〜、疲れるぜ〜。」バタバタやっている内に身体が暖まってきた。
火が熾ったところで肉を焼く。ジャイアント馬場が履く草鞋ほどの大きさ。しかし分厚い草鞋だな〜。2.5cm程ある。こんなデカイもの焼いたってひとり1枚も食える訳じゃなし。T哉が帰ってきてからにすれば良いのに。


焼き終わり鼻水を垂らしながら家に入る。かみさんはもう梅酒で一杯始めている。S司はSさんから頂いた有名銘柄の日本酒セットから一本開けてやっている。
私は…、先ずストーブで凍えた足の指先を解凍。鼻水をすすりながら冷たい発泡酒。「うう〜、冷たい。」一向に暖まらない。
肉も旨いには違いないが、年をとるとサッパリした野菜につい箸が行ってしまう。結局1枚丸ごと平らげたのはS司だけ。かみさんだって殆ど食ってない。また喰いもんが余ってしまった。肉、サラダ、スープ、温野菜、ハーブ入りウインナ、etc. etc.
明日は鍋にするとか言っている。
正月早々残り物を片付ける事になったりして…。