精神科医

斎藤茂太さんが亡くなられたそうです。北杜夫の兄であり父親があの有名な斎藤茂吉(あまりにも著名な方なので敬称は略させて頂きます。)である事はだれもがご存知の事と思います。
親子ともども、精神科医であると同時に文壇でも活躍されていたのは、やはり血筋でしょうか。しかし偉大な親を持ち、その重圧に屈する事なく兄弟ともに名をなすのは並みの努力ではなかったろうとお察しします。
文科系の人間でない私に最も馴染み深いのは、弟の北杜夫氏です。最初に知ったのが【ドクトルマンボウ航海記】。その後、【あくびノート】【怪盗ジバゴ】【白きたおやかな峰】etc. と続く訳ですが、気取らない、少しふざけた文面に氏の謙虚さが窺えます。
野草のイヌノフグリとその名の意味を知ったのは、たしか【あくびノート】だったように思います。
そして【白きたおやかな峰】で、初めて彼が茂吉翁のご子息だった事を知る、という脳天気さだったのです。
【白き…】は彼がドクターとして、ディランだったかラトックⅡだったかの遠征隊に同行した時の事を題材として書いたものです。この遠征にはかの高田直樹氏も参加していました。あっディランだったかな? ラトックⅡは高田直樹が遠征隊長だったような…。
そしてどうでも良い事ですが、古典文法上は【白きたおやかなる峰】が正しいのですが、現代の読者に合わせるべく推敲の結果【なる】を抜いたそうです。
山にも造詣があり高田氏との接点があるという事で、北杜夫氏をより身近に感じるようになりました。また同じ精神科医であり文筆活動もされている【なだいなだ】氏と親交があるという事も知り、なんとなく世の中の繋がりも感じるようになりました。
高田氏は名古屋の原病院院長、原真氏とも親交があり当然原さんは医者です。うちの親分が原さんや高田貿易の高田光政氏の子分格であったというのにもなにかの縁を感じます。(高田直樹氏と高田光政氏は無関係です。また原さんは精神化医ではありません。)
こうしてみると世の中なんらかの係わりで全ての人が繋がっているようです。どこに誰の目があるか解かりません。バカな事を慎むのと同時に常に周りに良い影響を与えるべく努力したいですね。