恍惚の人

昨日の事。かみさんをH駅まで送って行き、暫く時間待ちすることになった。
帰りはS駅まで迎えに来いと言う。S駅近くの和食屋でランチタイムデートだとか。
じゃあ、その辺の喫茶店で漫画でも見ながら時間を潰そうと車を走らせる。行けばどこかあるだろうとS駅近くまで行ってはみたが、駐車場のある喫茶店は目につかない。昔の記憶を辿ってみるが、この辺りでは思い当たる所がない。チョット離れるがあの辺りなら?と行ってみたらもうそこの喫茶店はなかった。いつ頃の記憶か?と思い出してみると遥か昔、25-30年ほど前の事なのである。
そう、かみさんと一緒になる前の記憶しか無いのである。一緒になってからはあまり喫茶店へ行く事もなくなってしまった。せいぜい週に一回、自宅近くで漫画の読み貯めをするだけである。新しい所を開拓する事もなく、グルメ情報も全く無い。いつもかみさんの情報を元に出かけるだけなのである。


駐車場のある喫茶店を求めてうろつく。同じ所をグルグル回っているだけ。こんな事なら家の近くまで引き返せば良かった。時間と140円/Lのガソリンが無為に消えてゆく。「ああ、なんてこった。」機転も利かず、遥か昔の記憶の中を彷徨っているだけである。
これって【恍惚の人】そのものでは?
ああ、アルツハイマーまるだしではないか? いや半分はアル中(アルコール中毒)ハイマーかな?
何年後かの自身の行く末を垣間見てしまったかのようである。かといって抗う事も出来ず、素直に運命を受け入れるしかないのか。