御在所敗退記

いつも通りに家を出る。
23号線に合流した所の登り坂でなんとなく加速が悪いような。…気のせいかな?
市内に入ると車が増え急加速する事もないので、全く異常は感じなかった。
その後もトラックが多くダラダラと走り続ける。
庄内川を越えオービスをやり過ごし日光川大橋の登りで加速。 ん? 加速が悪い。
その後はほぼ平坦路。やはり気のせいだったのか…。
木曽川大橋を越え長島の輪中に入った所で渋滞に嵌まる。どうやら桑名の交差点工事のせいらしい。
そしてその交差点を過ぎてから加速。 ん? やっぱりおかしい。全然走らん。
その後は信号発進の度にトラックに追い抜かれ、橋の手前の登りでトラックに追い抜かれ…。 一体どうしたというのだ。
先日からのATの異音の事が頭にあり、ATのせいか?と思ったがそれにしちゃ変だ。全く吹け上がらないのである。まるで1気筒死んでいるような非力さ。
四日市市内を通過し菰野町を通過。その間騙し騙し走る。
鈴鹿スカイラインに入り登り坂になると全く登らない。グリーンホテル横の真っ直ぐの登り坂では2ndでも2,000rpmくらいしか回転が上がらない。後続車が並び始める。湯ノ山への左折路を分けた辺りで左に寄り後続車をやり過ごす。
そこからの発進ではLowから2ndになかなか切り替わらない。アクセルはベタ踏み、エンジンは悲鳴をはりあげている。なんとか2ndに入ってもその上には切り替わらない。タコメータもせいぜい3,000rpmで頭打ち。完全にサチっている。
こんなエンジン音を聞きながら走るのはいたたまれない。駐車場はもう目と鼻の先だが引き返す事にする。夕方帰宅後にSUZUKIさんに持ち込んでも診て貰えないかもしれない。それなら今から帰り昼間に持ち込む方が良い。
鳥居道入り口手前でUターン。今日は勇気ある撤退。カルちゃんも私の身体の一部。そこが不調なのに無理をする事はない。


降りは軽快である。水温計を見ても正常値。オーバーヒートでは無い。
プラグかな? でも昨年の車検時に交換している。デストリビュータに水が入る訳ないし、ドライブシャフトかハブに何か巻き込んでそれが負荷になっているのかな? 別に変な匂いはしていないが。 自分でボンネットを開けなくなって久しい。近頃では開ける気もしない。
カルちゃんはもう廃車して別の車に買い替えようかな? S司も来年には帰ってくる事だし、買い換えるならS司の意見(好み)も聞いてあげないとな。…もうすっかり買い替えモードである。10年も乗せて貰っておきながら冷たいものである。わしゃ冷血漢か。
その後帰路の23号線は悲惨であった。気温が上がりエアコンを入れておきたいが、上り坂の度、信号発進の度エアコンを切らなきゃ走らない。切っても痺れを切らしたトラックに追い越されて行く。加速の度エンジンは死にそうな悲鳴を上げている。
アクセル踏んでも生ガスが燃えずに出ているだけのような気がする。音だけ大きくなりちっとも回転は上がらないのである。


9時チョイ過ぎに帰宅。
「あら、どうしたの?」かみさんが嗤いながら聞いてくる。こいつカルちゃんの調子悪いの知ってたんじゃねえか?
NetでSUZUKIさんの営業時間を調べ、持ち込む。
診て貰ったところ、ハイテンションコードの劣化が原因らしい。昔はそんな話をよく聞いたが今でもあるのか。大抵は絶縁が悪くなりリークでプラグへの印加電圧が下がってしまうのであるが、今は被覆の材料自体が良くなっている筈。こんなに突如として急激なパワーロスに繋がるものなのだろうか。でもなあ、この車10年前に造られたものだよな。有り得ない話ではないか。
フロントグリル固定用ホックも1個を残し皆抜け落ちている。前のラジエター交換時に付け忘れたのではないかと疑ってみたが、サービスマン曰く「これももうボロボロです。」と手で抜いて見せた。プラスチックが劣化しボロボロ。たまたま乗っかったままになっていただけだった。こんなものがこんなになるくらいだからケーブルの劣化も推して知るべし。10年間雨曝し。返って他の部分の耐久性に感心してしまった。
概算で2-3万円かかるとのこと。他にもいろいろ傷んでいるところがあるが交換しだしたらキリが無い。車検までの後1年少々を目安としてそれまで持たせる程度の出費に抑えておく。
その間に次の車種を決めよう。S司の意見も聞いて。
私の趣味としてはコペンが良いのだが、かみさん曰く「軽なんか駄目だよ! S司も乗るんだから。」今の軽は衝突時の安全基準も満たしており余程の事でない限り大丈夫だと思うのだが。昔のカローラ、サニーよりはずっと安全な筈です。