Pizza

昨日(日曜)朝からT哉が帰ってきた。土曜日に海に行ってきたとかで、車の塩気を洗い流しに来たのだった。こんな理由でしか子供は帰ってこない。それなら自動洗車機でも買って置いとくか。 あっ洗車機は通さないんだった。
洗車の後、三人でランチに出かける。かみさんはT哉に何が食べたいかしつこく聞いていたが答えは僕と同じ。「何でも良いわ。」
「何でも良い、じゃ解からん。はっきり言え。」
きりが無いのでおとうが口を挟む。「マリノで良いじゃん。」
T哉も「マリノが良い。」波風を立てない為にもかみさんの行きたい所を言うのである。少しは処世術を身に着けたようだ。
実は土曜の夜から日曜のランチはマリノでご馳走してくれるとかみさんが言っていたのだ。僕の誕生祝いということで。そこにT哉が帰って来たものだから、皆で行こうということになり行き先はT哉の好きな所へ、となったのだが肝心のT哉は何処でも良いと言う。
男の子なんてこんなものさ。特別何が食べたいなんてものは無い。それでもかみさんは、日頃の野菜不足解消にどこか良い所は無いか?と気を遣うのである。
結局かみさんの行きたがっていたPizza屋さんへ行く事になった。混雑を避け11時頃に家を出る。
流石に11時チョイ過ぎくらいでは待つこともなく席に着く。
前に来たのは1年くらい前かな。何度か来るとお店のメニューやオーダーのシステムも解かってくる。しかし…やはり何をオーダーすべきかよく解からん。苦しい時のかみさん頼み。オーダーはおまかせ。
いつものセットメニューだが、サラダ、パスタ、ピザ、パエリアの種類を選ぶのである。それぞれ何十種類とありどれがどんなものか文字だけでは解からない。写真くらい付けてくれれば良いのに。まるビおやじには大衆食堂のような蝋細工のサンプルが欲しい。
1品づつは三人で頂くには少ないように見えるが、次から次へと料理が出てくるとやはり多い。昼食には少々重い。残り物は皆T哉に押し付けてやった。さすがのT哉も苦しそうだ。大体イタリアンなんて何を食っても皆同じような味。直ぐ飽きてしまう。やはり日本人には和食が一番。
極めつけはパエリア。パイ生地で表面を覆って焼いているのか、パイ生地が風船のように膨らみ見るからに凄い量。ロシア料理の壷焼ききのこのような、とでも言えばわかるかな。あれよりずっとデカイですが。
かみさんは手馴れた手つきでその風船を十字に破き小皿に取り分けてくれる。「なんだ、中は空っぽじゃねーか。」知ってはいても毎度の事ながら損をしたような気になるのは僕のまるビ根性のせいか。
ドリンクサービスで何でも飲めるが結局は口当たりの良いウーロン茶。デザートのケーキもなるべく胃に軽そうなものを選ぶ。腹がエライのなら食べなきゃ良いのに、無理してでも食べようとするのはやはりまるビ根性。
で、お勘定は端数だけ出して伝票を僕に押し付ける。
「誕生祝いじゃなかったの?」
「……。」
T哉がお金を出そうとするので、「いいわ、しまっときなさい。」とつい言ってしまう。
結局殆ど僕の財布から出すことになってしまった。
これが誕生祝いね〜? ふ〜ん。
特別旨けりゃ、まあ良いか。と納得するがこんなものにこれだけ支払うと、つい勿体ないと思ってしまう。僕ってやはりケチンボなのかな?
本場のPizzaってこんなものなのかな。(ここのPizzaはペランペランで凄くお上品です。)
イタリアへは行った事は無いが、アメリカ、特にイタリアからの移民が多いシカゴやシスコの屋台のPizzaは旨かった。屋台なので下品な味なのかも知れない。まるビおやじには下品な屋台の味がピッタリなのである。
1/8切れが20cmくらいあるから直径16インチくらいだろうか。薄いドゥーの上に厚み1.5cm程のチーズ。Pizzaを食うというよりチーズを食っていると言った方が良さそうなのである。これ一切れ食ったら結構お腹も膨れる。これで1ドル位。こんなもの食ってしまったら日本のペラペラピザなんぞに何千円も払う人の気がしれないのである。とか言いながら払ってしまった僕って本当におバカさん?
この後、ずっと胃がもたれ夕飯もパスしてしまった。腹こなしに炎天下2時間かけて草刈をしたというのに…。