今夜は爽やか

今夜は風がよく通る。都会と違い家の周りは田園地帯なので夜風が涼しい。日中の暑さがまるで嘘のよう。
網戸越しに吹き抜ける風のおかげでエアコンなぞ不要だ。そして節電にもつながり大いに結構。
この爽やかさは夜風のせいだけではない。風呂上りには甚平姿がよく似合う。
ヘッヘッヘ〜。実はこの私、この年になるまで甚平なんて着たことがなかったのです。元来着るものに無頓着で着飾ったりお洒落したりなんて恥ずかしくてした事がない。生まれついての貧乏性がそんな事を許さなかったのだ。
それが、今日帰宅すると机の上にリボンの付いた紙包み。開けてみるとこれが入っていたのだ。T哉からの誕生プレゼント。嬉しいじゃありませんか。本当にあの子は細かな気配りをしてくれる。無頓着者ばかりのB型集団の中にあってこの細やかさは貴重な存在である。B型家庭の中にもひとりくらいはO型を作っておいた方が良い。
早速お礼のTELを入れたがバイト中なのか出なかった。メッセージだけ入れておく。
かみさんは不機嫌である。
「なんで私のは無いの。」
「あんたの誕生日じゃないだろ。」
「この前の誕生日にはこんなの貰ってない。」
「季節が違うだろ。」
「ブツブツブツ…。」
理由など無くただ単に妬いているだけ。その後文句のTELをかけていた。困った母親ぢゃ。
そして私は風呂上りに甚平さん。「う〜ん、良いものですなあ。」なんだかとってもRichな気分。甚平ひとつでブルジョワ気分。安上がりなおっさんですな。
「おーい、おっかあ! あんたの誕生プレゼントには作務衣でも催促したら?」