イニシャルコストとランニングコスト

初期費用と維持費とでも言うべきでしたかね。
通常設備の償却についてよく使う言葉ですが、我家では遊びの道具や車などの購入時にもよく使います。
言葉通り購入時の費用と運用していく為の費用ですね。
遊びの場合はその行為そのものがひとつのアクティビティなので、出かける為の交通費、宿泊費、食費、その他経費もその行為のランニングコストとみなします。
例えばスキーに出かける場合は、往復ガソリン代(車の維持費は計上しません。)高速代、駐車場代、宿泊費、飲食費、リフト代、温泉代、WAX代、チューンナップ代などですね。
山などは食料(朝食のコンビにおにぎり、行動食のパンで≒300円/回)温泉代500円 ガソリン代≒1,500円くらいです。
そしてイニシャルコストはと言うと、スキーにしても山にしても殆ど償却しきっているのでほぼ0円。いや山の場合は靴底の張替えがばかになりません。以前計算したら100円/回くらいだったような。これもどちらかと言うとランニングコストかな?
コストの殆どはランニングコストでイニシャルコストは極端に小さい。
我家ではこれが当たり前なのですが、世の中には凄くリッチな方々もお見えのようで、道具にご執着の方もいらっしゃるようです。
良い道具を使えば上達が早いかって? どうでしょう。それより最新の武器を揃えていても道具負けしていては人に笑われるだけです。道具の良さに助けられごまかしを覚えてしまうと上達が遅れる事もありえます。技量にあった道具が上達の早道のような気がします。
イニシャルコストが多過ぎてランニングコストが捻出できない。なんて事になったら本末顛倒です。使ってこその道具です。でも世の中にはこの手の半ばコレクターも多いですね。道具の知識も豊富で口だけは凄く立派な方もいらっしゃいます。
良い道具はそれに見合った使い方をすれば最強です。でも使いこなすには使う側も鍛えられていなければなりません。それは練習の絶対量で決まります。
世の中には天才と呼ばれる方々がいらっしゃいますが、その卓越した技術と練習量との間には明確な相関関係があるそうです。
特に演奏家などはこれが顕著で天才といわれる人ほど他人以上に練習に時間を割いているそうです。天才とはそれだけの練習を続けられる意思とそれが好きである事を指しているのかも知れません。
話が逸れてしまいましたが練習量を増やす為にはランニングコストがかかります。上達を目的とせずただ楽しむ事を目的としていても結果的に練習量は増え知らず知らずの内に上達してしまいます。楽しいから飽きない、そして永く続けられる。これが本来あるべき姿だと思います。そして気が付けばランニングコストが膨大な金額になっていた。なんて事もよくあります。でもそれを惜しがったりしません。だってあんなに楽しかったのですから。達成感とか充実感とか言われる方もいらっしゃいますが、私としては面白かった、楽しかった、というのが最も素直な表現だと思います。
道具の蒐集に喜びを感じるのもひとつの楽しみ方かもしれません。それはそれで認められるのですが、折角道具として創られたものなのですからたまには本来の仕事をさせてあげて欲しいと思います。うちの道具達、あまり手入れもしていませんし酷使の連続ですが、いつもしっかりと任務を果たしてくれています。道具達にとってこれが一番の幸せなんだと勝手に思い込んでいます。
蒐集に走る方がいる一方で道具も揃えるがその使用頻度も半端じゃない方々もいらっしゃいます。
昨今の中高年の何々ブームで始められた方々の中で驚異的な意欲で取組んでおられる一部の方々です。丁度団塊の世代に属する彼等は仕事でも驚異的なパワーを発揮し戦後の復興期の立役者だった方々です。そのパワーを今度は自分達の遊びにも発揮しているのです。
これらの方々は今や市場としても最も裕福な階層となっています。イニシャルコストで大きな一次市場を形成し、ランニングコストでそれに続く二次市場を形成しています。
これら経済の活性化だけでなく、カルチャー面でも大きな影響力を持ち始めています。Web上で情報発信したり、共通の目的でコミュニティーを形成したり…。
20世紀が工業化の時代だったのに対し、21世紀はこれら中高年、熟年の方々による生活文化の時代になるかもしれません。如何に生きるべきか、如何に生活を楽しむべきかを探求する為に。