危機管理能力

最近T哉がよく言う。「不毛だ。不毛な生活だ。エイト(RX-8)までの我慢だ。」 どうも夜のバイトが辛いらしい。
「月10万円貯めても1/25でしか無い。永い…。」
週3日夜のバイトをいれているらしい。S司曰く「夜のバイトは週2日を越えるとやばい!」実際そのおかげでS司は留年しそうになった。T哉の場合そのおそれは無いと思うが…。


同じ兄弟でも危機管理能力は全く違う。性格的なものだともいえる。
危機管理能力は危機察知能力と対応力に分けられると思う。S司の場合はセンシング不足とでもいうか危機がすぐ傍まで来ていても気付かない所がある。一言で言えば【鈍感】。しかし対応力となると親の欲目を差引いても凄い集中力を発揮する。火事場の馬鹿力というやつかな。
一方T哉は常に周りにアンテナを張り巡らし、どんな些細な事でも前もって対応策を練っている。【転ばぬ先の杖】のおかげで【火事場の馬鹿力】を発揮しなければならない状況に陥った事はないが、日々努力を重ねるタイプである。
T哉は生真面目な小市民、S司はグータラの一発屋、と言ったところか。どこの家でも似たり寄ったりで、長男はお人好しの甚六で次男は要領良く甘い汁を吸うのだろう。


そういえばT哉には小遣いなんて遣ってないんじゃないのかな。子供の頃から月極めの小遣いなんて渡してなかった。「必要なものがあるのなら理由を言いなさい。」とかみさんに言われていたようだ。まるで稟議申請制じゃないか。おかげで学校帰りに買い食いなどした事もなかった。大学に入ってからバイトをするようになり、そこから付き合いに必要な費用を捻出しているようだ。EXCELLで家計簿を作り、収入、必要諸経費、貯蓄額とエイト購入の借金返済Simulationなどをやっている。そのせいか凄く切詰めた生活をしている。
S司も独り住まいの割りに、預金引き落としの明細をいつもかみさんにチェックされているのと元来のしみったれのおかげで無駄遣いはしていないようだ。スキー合宿も学校の施設利用で格安に上げているし、イントラのバイトで練習兼小遣い稼ぎをやっている。かみさんに言い放った「スキーなんて金を遣ってやるもんじゃないよ!」という言葉が妙に脳裏に残っている。あの子がこんな事を言うとはねえ…嬉しいような寂しいような。


T哉は正月の間の夜バイトも風邪による下痢をおして出勤していたようだ。あの責任感があればNeetなんて言葉とは無縁だろう。逆にワーカホリック予備軍になっていたりして。